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【NER】古着には“想い”が込められている。若きオーナーが語るヴィンテージの魅力

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目利き冴え渡る森田玲於奈さんがオーナーを務める下北沢「NER(ネル)」。

コアな顧客がジワリジワリと増え続けていて、“古着の聖地”と言われる下北沢のなかでも今、最も注目を集めているお店の一つです。直感を頼りに古着が発するオーラを受け取り、アメリカから唯一無二のアイテムを買い付け、ファンの元に届ける森田さん。日々、しっかり寝て、しっかり休むことで、常にアンテナを研ぎ澄ませているのだそう。決して押しつけがましくないのに人々を惹きつけて離さない「NER」の魅力に迫ります。

買い付けの楽しさに開眼。古着好きから古着屋のオーナーになるまで

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まずは店名の由来から教えていただけますか?

森田氏:特に意味のない短めの名称にしたい」と思っていたのもありますが、「寝るのが好き」っていうのが命名の一番大きな理由です(笑)。しっかり眠ると体力が回復するのを実感しますし、物心ついたときから一貫して寝るのが大好きなんですよ。寝ることと休むことが大事だと思っていて、1日9時間寝て週2日は絶対休むようにしてるんです。そこはある種、こだわりですね(笑)。

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もともと古着には興味があったんですか?

森田氏:興味はありましたけど、特に古着に特化した興味ではなかったです。服関連の学校に行っていたわけではないですし、ただ「まぁ好きで」という感じですね。

僕はもともとカッコ良いものが好き、という感覚の方が強くて、古着そのものに固執することってないんですよね。振り返ってみると、古着とかヴィンテージものとかの方が好きなものが多かったり、好きなアイテムが見つかる確率が高かったり…。そのような気持ちが発端になっていると思います。

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古着屋オーナーなのに、古着にこだわっておられるわけではないんですね!

森田氏:古着ばかり着ているわけでもないですし、逆に古着にこだわるのは違うと思っているというか。「古着じゃなくてもかっこよければいいじゃん」って思ってる方なんですよね。

ただ、「ファッションを自由に楽しみたい」「楽しむ人が増えればいいな」っていう思いはあります。好きなものを着て楽しい気分になれるってとてもいいことじゃないですか。そこを突き詰めていったら、自然に古着と出会ったというのが正直なところです。

 

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すると、古着屋さんをやろうと思ったきっかけは?

森田氏:古着屋めぐりをして、お店の人に買い付けの話を聞いているうちに、自然に「買い付けに行ってみたい」と思うようになっていったんです。その後、21歳の時に友達と旅行がてらアメリカへ。「フリーマーケットのような買い付けができるようなところへ試しに行ってみよう」という感じでしたが、実際に行ってみたらこれが想像以上に楽しくて。「古着屋をやってみたい!」と思い立ち、今に至っています。

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古着屋さんを経営するうえで、大切にしていることを教えてください。

すべてバランスがとれていることが大切だと思っていて。「好き」「向いてる」「楽しい」と思えて、なおかつ自分が今まで通っていたお店で得た知識もしっかり活かせる仕事とは?と考えたとき、古着屋という仕事がもっとも自然でした。大きく稼ぎたいとか、有名になりたいとか、そういう気持ちはほぼありません(笑)。

「人の好みはさまざま。無理な営業はしない」目利きならではの“果報は寝て待て方式”とは?

 

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とはいえ、経営するとなったら大変です。楽しいだけでは済まないことも多いですよね?

森田氏:はい。難しい面もありますね。苦労もそれなりにありました。たとえば、最初の1年は知名度もないので、お客さんが今と比べて断然少なくて。

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現在のように人気店になった理由はどんなところにあると思いますか?

森田氏:心がけていることがひとつあって。人の好みは十人十色じゃないですか。ということは、万人受けする服を集めようとしても埒が明かないですよね。

だから僕は、僕と好みが同じ方の心に引っかかるものを選べればいい、って割り切っているんです。「僕はこれが好きなんだけどどう?」って話しかけるような気持ちで品揃えを構成しているというか。

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具体的にどう販促していったんですか?

森田氏:僕がとってきたスタイルは、もっぱら“果報は寝て待て方式”なんです。僕の方から、無理に顧客を開拓していくというよりも、僕なりに「NER」をしっかり整えておいて、それを気に入ってくださった方々を大切にしていく。

無理にリスクをおかして広告を打ったり、顧客からの紹介に頼ったりしないという意味で、果報は寝て待て方式と言えるのかなと。「NER」だけに(笑)。

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下北沢1番街のイベントにも参加されているそうですね?

森田氏:よく出店していますよ。古着フリーマーケットですね。出店するのは、売上げのためというより、やっていて楽しいから。やっぱり普段お店に来る人と全然客層が違うので、すごく面白いです。初めての方に知っていただくきっかけになるというのも魅力のひとつですね。

「好きな服を好きなように着ればいい」NERが提案する古着との付き合い方

 

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森田さんの考える古着との正しい付き合い方を教えていただけますか?

森田氏:正しい付き合い方なんてないですよ、多分。僕は、古着を特別視するのはナンセンスなことだと思っています。

それこそ、古いヴィンテージ屋さんで10万円の価格がついてるようなジーンズとかも、元はといえば、ただの作業着だったりするじゃないですか。ヴィンテージものだと謳ってるスウェットなんかも、1万とか2万とかついてるものもありますけれど、ごく一般的などこかの大学の体操着だったりとか……。なので、別に古着を特別視する必要なんてないんです。

そう考えると、どこで着るのか、ってことが重要なポイントになると思います。銀座で着るのか下北沢で着るのか。着る場所によるんですよね。僕は、古着にこだわらず、自分がいる場所や環境で1番かっこいいと思える服を、自由にコーディネートすればいいと思っています。

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古着のコーディネート方法についてのアドバイスすることはありますか?

森田氏:もちろん「どんなのが似合いますかね」って質問いただけたら喜んでアドバイスするんですけど、こちらから積極的に助言したくないですね。

「最近こんなTシャツが入って」とか、そういった情報はお話ししますけど。「好きなように好きな服を着ればいいよ」って思っています。だって、「おすすめアイテムは?」と問われたら全部ですし(笑)。

古着には人を惹きつけるオーラと色気がある

 

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古着って森田さんにとってどんな存在ですか?

森田氏:「遊び」とか「道楽」のような言葉を連想します。服を選ぶとか、買うとか、おしゃれするとか……。そもそもお金に余裕がある人の特権のようなところがあると思うんです。別に生きていくうえで必要はないけど、「こういうものがあったら楽しいじゃん」っていう感じ。無理して買うものでは決してないと思っています。

ただ、別に高いものがいいわけじゃなくて、500円で売っているようなものでも、かっこいいものはかっこいいし、10万円あればその分選択肢は増えるだろうし。いろんな楽しみ方があると思います。

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「ヴィンテージ」という言葉に対してどんなイメージをお持ちですか?

森田氏:人によって定義が曖昧な言葉なので、「何年前の服のこと」とちゃんと定義してほしいなと思います(笑)。50年くらい前の服のことをヴィンテージということが多いとは思いますが、人によって使い方が曖昧ですよね。

例えばUSA製のコンバース。90年代に作られたものですが、これがヴィンテージといわれることも多いんです。ただ、Tシャツなどに関しては消耗品で耐用年数も短いので、90年代のものでもヴィンテージと呼んでいいと思っています。

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古着やヴィンテージのアイテムと新品との決定的な違いとは?

森田氏:古着やヴィンテージものには、新しいものとは違う味わいというか、特別感があると思っています。一言でいうと、オーラのようなものかな……。

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何か普通の人には見えないものが見えるということですか!?

森田氏:見えますね(笑)。よく言われるように、そこに光のようなものがあるというより、いろいろな意味で「“念”がこもっている」のは感じます。新品の服と1万回着られた服とでは、後者の方が何かある気がしますよね、当然。あえて言語化すると「気持ち」とか「想い」のようなものでしょうか。

科学的に説明しようとするなら、その土地の匂いとか香水とかフェロモンとか……。そういうものが正体なのかもしれません。そういうものをひっくるめて“念”と呼んでいますが、決して恐ろしいものではなくて、たとえるなら「色気」に近いかな、と今は思っています。

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最後に、今年はどんなものが流行するでしょうか?

森田氏:派手なものが今年っぽいと思いますね。オーラを発している派手な服、ご自分の好みのアイテムをぜひ探してみてください!


所狭しとディスプレイされたアイテムの種類は多岐にわたりますが、オーナーの森田さんがセレクトしたアイテムには一貫して心地よい調和のようなものが感じられます。一見、雑多なようで不思議な統一感があるせいか、すべての商品が特別なもののように見える店内は、まるで小さな宝箱のよう。この店を訪れるためだけに、下北沢に足を運ぶ価値があるお店だと感じます。Vintage cityにてLOOKBOOKも近日公開予定です。ぜひ、自分だけの“宝さがし”に出かけてみては?

「NER」

住所:東京都世田谷区北沢2-40-17 ソレアード下北沢1F

営業時間:13:00~20:00

Website : https://ner.thebase.in/

Instagram : www.instagram.com/ner_shimokitazawa/

Twitter : twitter.com/ner_shimokita


エディター : 鈴木さん

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