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カルチャー

デニムがファッション界を変えた!?今更聞けないジーンズの歴史と魅力

2年前閲覧 1,839

デニムとはいったい何?

デニムはジーンズに使われている生地のことです。17世紀フランス、時代と共に繊細な絹より丈夫で長持ちする生地が求められるようになります。

それが10番手以上(やや太めの糸)を使用した綾織りの綿生地「デニム」です。

18世紀頃、地中海貿易でイタリア・ジェノバからアメリカに多くの繊維が輸入されるようになります。その時に船員たちが身に着けていたのがデニム生地のズボン。

これが後に、ジーンズへと変化していきます。

1870年代★ゴールドラッシュが生み出したジーンズ

1870年代、アメリカ西部に起こったゴールドラッシュ。一攫千金を求めて労働者たちが集まりますが、金鉱を掘り当てるのは並大抵の事ではありません。

当時は古着を屋外労働用として着用するのが一般的でしたので、今のようなワークウェアなどはなく、掘り出しに時間がかかるだけでなくケガ人も増えていきます。

1873年★リーバイスの誕生

これでは仕事にならないと、労働者達からネバダ州でテーラーを営むヤコブ・デイビスに、ワークパンツ(オーバーオール)制作の依頼が舞い込みました。

そこで金鉱に足げに通うリーバイ・ストラウスに声をかけてワークパンツを作ります。これがジーンズの誕生です。

当時のデニムは10oz(オンス)以上の厚みの綾織り綿生地でしたので、丈夫で長持ちし通気性があり洗うことで体にどんどん馴染むことから、労働者にはなくてはならないものになっていきます。

注文が殺到し、寝る間もなくワークパンツを作っていたそうですから、そのクオリティの高さは想像以上のものだったのでしょう。

※ Tシャツやデニムは厚み(質量)を表す単位を「oz(オンス)」で表しています。

デニムの耐久性が広がると、様々なメーカーが作業用ズボンを作り始めます。

製品の質やデザインはもちろんですが、効果的な宣伝をすることで自分の会社の商品をアピールし始めます。

そこでリーバイスは、もっとも優れたワークパンツのロットに「501」と名付けジーンズとしての地位を確立していきます。

1924年★カウボーイが夢中になった!リー(Lee)101カウボーイパンツ

リーバイスの501が登場してから約20年、リー(Lee)やカーハートなど畜産関係の会社も作業着の生産に乗り出します。

この当時も、ジーンズはあくまでの労働者の作業着でパンツもジャケットも一般家庭に普及していません。

1930年代の映画ではカウボーイが活躍し、その衣装として使われたのがジーンズです。

リー(Lee)が発売した「101カウボーイパンツ」は、カウボーイに大人気。リーバイスは、馬の鞍をリヴェットで傷つけないとうに「隠しリヴェット(コンシールド・リヴェット)」が採用、その後はサスペンダーボタンが廃止され今のジーンズに近いデザインになっていきます。

1937年★女性用ジーンズ「レディ・リーバイス701XX」の誕生

世界恐慌以降、裕福層は夏の余暇を牧場で過ごすデュード・ランチ(DUDE RANCH)・牧場観光を行うようになります。

これは、カウボーイや開拓者に対しての尊敬の念や憧れから、家の中でのパーティーよりも牧場や野外での食事や活動を重視したことがきっかけです。

ここで生まれたのが、女性用ジーンズ「レディ・リーバイス701XX」です。

1938年★ラングラージーンズは「カウボーイのためのジーンズ」として人気に。

1939年第二次世界大戦、アメリカでは第二次世界大戦後の高騰した物価を安定させるために、価格の見直しや物資の生産や修理・使用などについて規制が行われるようになりました。

そのあおりを受けて、股リベット廃止はペンキステッチへと変貌していきます。

リー(Lee)が政府から軍需品の生産を請け負うになると、その工場には女性が工場作業員として従事するようになります。

ここで女性がジーパンを身につけるようになり、シルエットもタイトに変化していきます。

物資統制が終わった1947年には、リーバイスのバックポケットのステッチが復活し、

米国のワークウェアメーカーであるブルーベル社がラングラージーンズを作り始めました。

ジーンズという呼び方は、このラングラーが使ったことで広がっていきます。カウボーイの意見を取り入れ、機能性が高くなったラングラージーンズは「カウボーイのためのジーンズ」として人気になっていきます。

1953年★映画スターによって広まったデニムの魅力

戦後に変化していくファッションに深く関わるのが、兵士とハリウッドスターです。

Tシャツもそうでしたが、海外派遣から戻ってきた陸軍士官以下の兵士(G.I)がリーバイスの501を着用・宣伝することで瞬く間に一般市民に広がっていきます。

「欲望という名の列車」で不良を演じたマーロン・ブランドは、「あばれもの」という作品で、リーバイスの501を着用し、大ブレイク。

また、ジェームズ・ディーンは「理由なき反抗」で、Leeライダース101着用するなど大人や社会に対して反抗する若者を演じました。

ハリウッドスターが着用したことで、ジーンズは作業着でなくファツションとして認知されるようになり、シルエットもタイトになっていきます。

1960年代★ビートルズもジーンズを愛用

1950年代末頃イギリスでは、アメリカのロカビリーに対抗して細身のイタリアンルックが若者に大流行。これが60年代に入り、本格的なモッズムーブメントとなり世界中に広がっていきました、

ブルーデニムではない「ホワイトリーバイス」や「リー・ウエスターナー」が人気になっていきます。あのビートルズや、ローリングストーンズも着用したことでヨーロッパにはジーンズ文化が浸透します。

アメリカでは、「自由・反抗」の象徴ともなっていたジーンズ(ベルボトム)が取り入れられるようになりました。そのヒッピームーブメントに反対したのが「パンクファッション」で、わざとジーンズをビリビリに破くことで存在感を象徴します。

1970年代★ ハイブランドとジーンズ

1970年頃、イヴ・サンローランがプレタポルテのコレクションにデニム素材を使うように」なると「カルバン・クライン」「アルマーニ」などの世界的なデザイナーがジーンズを発表するようになっていきます。

ここからハイブランドジーンズが次々と生まれ、ジーンズがファッションとして定着していきます。とても作業着から生まれたとは思えない展開で驚いてしまいますよね。この「完成されたシルエット」を持つハイブランドジーンズの登場は、「穿き込むことで自分の体に馴染ませるジーンズ」だけでない新しいファッションを作り出したのです。

1990年代★ヴィンテージブームが生んだ古着ブーム

1990年代には、アメカジブームとともに60年代のヴィンテージジーンズが流行になります。このヴィンテージジーンズを中心に、国内のジーンズブランド(ドゥニーム、エヴィス)と合わせて、古着がブームとなっていきます。

現代★時代と共に変化してきたジーンズ

ジーンズは労働者のワークパンツから、一般市民に愛されるまで長い歴史の中で変化していきました。

ヴィンテージジーンズと呼ばれるものが驚くほどに高価であるのも、物資の少ない時代に作られた希少価値があると考えれば納得できますよね。

何気なくはいているジーンズですが、ちょっとしたこだわりを見つけるとおしゃれが楽しくなります。

ヴィンテージジーンズに興味がわいた人は、ぜひ古着屋巡りでお気に入りを探してみてください!


エディター:桜花

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