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本物は代官山にある!50Sヴィンテージを愛する「Full up(フルアップ)」

2年前閲覧 8,124

ニューヨーク・ブルックリンを感じさせる街、代官山。グルメからファッション、ライブハウスがあるかと思えば、大正ロマンを感じる旧朝倉家があるなど、なんとも不思議な場所です。

そんな代官山にFull upが登場したのは1985年。創業当時から通い続けるファンも多く、最近では「学生時代に通いました」と照れ笑いしながらやってくるお客様の姿も増えてきたそうです。

アメリカ古着を中心に、メディアでも話題になったヴィンテージジーンズまで。ここにくれば、必ず欲しいものが見つかるFull upの魅力を、「古着が好きでたまらない」「ヴィンテージを語らせたら止まらない」店長のインタビューから紹介します。

自分らしい店を求めて原宿から代官山へ

店長の芳村さんはFullUpをオープンする前は、原宿で働いていたそうです。当時からアメリカヴィンテージが好きで、趣味で集めていたものに囲まれて過ごしたい!だったら、自分で古着屋をやろう!と一念発起しFull upを立ち上げました。

代官山を選んだ理由は「代官山はのんびりして、おだやかな街」だったからだとか。

Full upが代官山にオープンした80年代後半は、安定したインフラに様々なカルチャーが生まれまれています。

特にインポートセレクトショップが立ち並び、「ヌヌシュ」「ラフ・ダイヤモンド」「フレンチ・アーミー・ネービー・サープラス」「ハリウッド・ランチ・マーケット」などが軒を並べ、大人の隠れ家的な場所も多く存在しました。

原宿とは違った独特の空気感が、居心地のよさとなって店長の芳村さんを惹きつけたのかもしれませんね。

モード系の街で展開するアメリカ古着の魅力

おしゃれな代官山には、ブランドファッションにお店が立ち並びます。代官山駅からぶらぶらとカフェを探せば、オープンカフェで外国人が談笑し、歩いている人のフアッションも落ち着いて洗練されていました。全体的に、原宿や渋谷と比較すると時間がゆっくりと流れているようにも感じます。

Full upの店内には、アメリカで仕入れたネルシャル、フライトジャケットなど、カジュアルな古着がびっしりと並んでいます。

中でも目を引くのは、柄物シャツの多さです。チェックはもちろんですが、プリントシャルも多く、日本のブランドでは探しても手に入らないような個性的なものがありました。

特に目を奪われたのは、こちらのプリントシャツ!1927年、アメリカの大手百貨チェーン「J.C.PENNEY(J.C.ペニー)」のプライベートブランドとして誕生した「TOWN CRAFT」です。装飾や柄が個性的なものが多く、ネルシャルやコーデュロイシャツは、50sヴィンテージ好きにファンも多いブランド。

大胆なプリントは、大柄なアメリカ人にピッタリのデザインなのですが、ヴィンテージ好きのシルバー世代にサラッと着こなして欲しいですね。

こちらは店長もイチオシの商品で「このシャツの良さが分かる人に、手にとって欲しい」とおっしゃっていました。

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店長もプリントシャツを着用されていますが、個人的にプリントシャツがお好きなんですか?

芳村店長 「アロハシャツが好きなんです。アロハシャツの起源については所説ありますが、ヨーロッパの船員たちが着ていた長袖の上着が絣(かすり)に似ていたので日系移民に浸透したとか。なんだろう、ジーンズもそうなんですけど、歴史とか伝統を感じる服に凄く惹かれるんです。」

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アロハシャツは「ハワイの服」と思っている人が多いようですが…

芳村店長 「まあ、日系人が着物をバカラ仕立てて…という経緯はありますが、ハワイで人気が出たのは本当ですし。ただ、どうして服が生まれたのかいう歴史的背景があって、それがたくさんの人の手に渡って古着になっている。そういう事も意識してもらうと、もっと古着が楽しくなるとう言うか…古着に対する愛着がわくと思うんです。」

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FullUp(フルアップ)が考えるヴィンテージの定義はなんでしょう?

芳村店長 「そうですね、その時代から30年遡ったらヴィンテージと定義するケースもあります。今から30年前だと90年代ですね、今の若い世代がヴィンテージフアッションとして取り入れているくらいの。当時はストリート系のファッションが主流で、ビックロゴとかオーバーサイズのビックシャツが流行りました。音楽で言うと、ヒップホップのMCハマー・ソウル系でTLC、アシッドジャズのジャミロクワイやスパイスガールズなどブラックミュージック全盛期です。今の20代の若者には、すごく新鮮に映りますし、オーバーサイズを女の子が着るものおしゃれだと思います。でも、僕からすると全然新しい古着ですし、トレンドは繰り返すのでヴィンテージではないですね。」

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古着とヴィンテージの定義はFullUp(フルアップ)的には違いがあるのですか?

芳村店長 「古ければ価値がある、ヴィンテージとは考えてないです。何だろうな、年代的に言うと50年代のアメリカファッションというか、生地の質や縫製のこだわりにあると言えばいいのかな。第二次世界大戦下のアメリカは、厳しい物資統制が行われたので、今までのジーンズとディティールが変化しています。このGジャンは「大戦モデル」と呼ばれているヴィンテージなんですが、作りが粗くて生地もごついんです。ボタンやステッチも、大戦前と後では色々違って…物資統制により、今まであったものが無くなって、でも戦後に復活はしないんです。また、新しい物を生み出して、それがまた新しいカルチャーを生み出していく。ヴィンテージは社会が生み出すというか、苦しい中から生まれた大きな希望みたいなもので、だから凄く価値があるんです。ジーンズ1本が安くて20万とか、今の若い子に言うとびっくりされるんですけど…」

FullUp(フルアップ)がというより、芳村店長の考えるヴィンテージは、激動の時代にも変わらずあり続ける「無骨な精神」を持ち続けたデニムにあるようです。50年代を1つの境としてヴィンテージと考えているようです。そうは、いっても対戦モデルや戦後のヴィンテージジーンズは高額すぎて購入する人もいないのだとか。

貴重なヴィンテージジーンズをおすすしていただきました

こちらはLEVI'S 701XX(1963年~1966年製) 通称 マリリン・モンロー モデルと呼ばれるオリジナルヴィンテージ。

ほどよいゆったり感に、ハイウエストが特徴で、90年代のヤングセレブが愛用したマムジーンズ風。 501より股上が深く、太もも周りもゆったりしているので女子っぽい着こなしが楽しめます。人気のレディースブランドでもサンプリングされる、注目のデニムですよ。

ヒップアップして見える魔法のデニムで、ロールアップしてコンバースに合わせても良し!トップスは女性らしいふんわりトップスで、甘さをプラスするとトレンド感もアップします。袖コンシャスなトップスとコーデするなどして楽しめます。

この黄色のステッチとか、色の落ち具合はヴィンテージならではのもの。今のジーンズをここまで色落ちさせるのは本当に難しいです。こんな貴重なレディースのヴィンテージジーンズがある店は、かなり少ないはずですよ。

FullUp(フルアップ)では、このような希少価値のあるヴィンテージだけでなく、手が届く値段のデニムもたくさん用意しているそうです。最近人気があるのはLEVI’S 646、ヒッピースタイルに欠かせないベルボトムジーンズはプリントTシャツやアロハに合わせるのがおすすめ。

また、パンクやロック好きにはスリムフィットな606がクール。Ramones(ラモーンズ)やThe Clash(ザ・クラッシュ)、SEX PISTOLS(セックス・ピストルズ)が穿いていたいたことでの有名ですね。

60年代製LEVI'S 70505通称「BIG E」と呼ばれるデニムジャケットです。ヴィンテージの中でも、比較的コンディションの良く値段も手頃。

なによりシルエットの完成度が高いので、何をコーデしてもしっくりマッチするのも素晴らしいですね。

女性はトレンドのシフォンスカートとのコーデに、男性はアメリカンなチェックシャツやアロハにリジットデニムやワークパンツでミックススタイルはいかがでしょうか。

古着MIXファッションがトレンドの今を考察

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近年は、メンズを中心にストリート系ファッションが人気です。80~90年代の古着はドンピシャだと思いますが、FullUp(フルアップ)ではどんな商品が売れていますか?

芳村店長 「その通りです。スリムなシルエットのファストファッションやスキニージーンズは終わりました。アメリカ人は体も大きいので古着もビックサイズでしょ?アームホールもゆったりしてるしオーバーサイズのスエットやTシャツが人気です。これはおすすめの、ハーレーダビッドソンのプリントT。クールでカッコいいでしょう!こういう遊び心があるのがアメリカ古着の魅力なんです。」

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Cool!!40~50代の男性が、サラッとジーンズで着こなしているとキュンとします。

芳村店長 「ジーンズは、女性だけでなく男性もハイウエストのジーンズを探している人が増えましたね。男性の場合は、女性のようなハイウエストではなく、腰骨で穿くレギュラーストレートをすすめています。スキニージーンズは、スタイリッシュな印象ですが、レギュラーストレートは無骨で男性らしいシルエットが魅力なんです。ヴィンテージジーンズのストレートは、ダウンタウンの浜田雅功さんが穿いている感じ。年齢があがるほどに、カッコよく見えるのもヴィンテージジーンズの魅力なんです。」

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トレンド風に古着着こなすなら、どんなボトムをおすすめしますか?

芳村店長 「そうですね、タックインするようなジーンズは古着で見つけるのは難しいと思います。股上深めのストレートなら、リーバイス501ですね。503のルーズストレートはサイズアップすると、ストレートファッションにマッチします。」

ジーンズは身長や体型によっても穿いた雰囲気が違いがあるので、遠慮なく試着して欲しいそうです。古着だから、安いからこれでいい、と決めずに自分にぴったりのサイズを選んでくださいね。

キャラクターデザインの古着は時代を超えて人気です

ハーレーダビッドソンは、世界恐慌を生き残ったアメリカの2大オートバイメーカーの1つ。このプリントには、アメリカのしぶとさや狡猾さなどが感じられます。人気のアメコミ風で、プリントがはっきりしているのもいいですね。

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ハーレーダビッドソンのTシャツ推しのようですが、この他にどんなトップスがありますか?

芳村店長 「アメコミキャラは人気ですね。スパイダーマンとかスーパーマンは男女問わず手にとって見ていかれます。シャツで売れているのは、ラルフローレン、ブルックスブラザーズ。」

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他店でも、ラルフローレン、ブルックスブラザーズは人気みたいですね。何か理由があるんでしょうか?

芳村店長 「お父さんが着ていたのを、お下がりでもらって。品質もいいし、ワンポイントがお洒落に感じるのもあるんじゃないかな。スポーツブランドなんだけど、ちょっと品があってクールな感じが若い人にウケてると思います。」

ラルフローレン、ブルックスブラザーズ、J・プレスなど、アメリカントラッドは、80~90年代に爆発的な人気のブランドでした。

1967年に ワイドなネクタイタイ「POLO(ポロ)」を発表したのが、始まりでメンズウェアの「ポロ・ラルフローレン社」が設立されたのが1968年です。

このシャツは1967年1月12日の刺繍が入っていますが、当時ラルフローレン氏ははノーマン・ヒルトンの財政支援のもとに、ボー・フランメル社で働いていたはずです。

それを考えると、このシャツはかなり貴重なヴィンテージで手に入れようと思っても手に入らない1品。着ているだけで存在感がある、店長おすすめシャツ。

古着で自分だけのお洒落を楽しんで欲しい

Full upをオープンした当時は、Boonという雑誌を持ってお客様が古着を買いにやってきました。最近の若者は、雑誌を読まないでインスタグラムやWEARなどの他人のコーデを見せて同じものを買いにくるそうです。

同じものが悪いわけではないけれど、古着は他人と被らない1点ものだからこそ個性を引き出せる魅力があります。

古着は安いから手に入れやすいのも、たしかに魅力なのでしょうが、その1着の背景にある歴史や作った人、そして大切に愛用していた人の思いなどを汲み取って欲しい。ヴィンテージという言葉に流されず、値段以上の価値を古着から感じて大切にしてほしい…そんな熱い思いが芳村さんの言葉から感じ取れました。

「ヴィンテージは自分の夢でもあり憧れでもある、そして古着は自分の人生そのものなんです」と笑う芳村さんの瞳は少年のようにキラキラと輝いていました。Full upは2021年7月24日で36周年を迎えます。

vintage cityに登録したことで、「昔ここで古着を買いました!」という懐かしい顔との出会いも増えたそうです。古着との出会いは一期一会、でもFull upとの付き合いは一生ものです。

こだわりの古着をお探しの人も、珍しいヴィンテージを見てみたい人も休日にはFull upにお出かけしてはいかがでしょうか。

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エディター : ouka

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