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カルチャー

テクスタイル。マテリアル。好きなスタイルはどんどん変わる。

2年前閲覧 1,008

食わず嫌いというコトバ。

例えば子どもの頃に

「食わず嫌いせず一回食べてごらん、美味しいよ」とおばあちゃんから、「きっと好きになるよ、あなたは食わず嫌いなだけよ」

なんてお母さんから言われたことはありませんか??

言葉の響きのまま、一度も食べたことがなく味も何も知りもせずにただ毛嫌いして食べないこと、という心証を受けます。

実際の食に関するコトバから派生して

「真実や面白さを深く知ろうともせず最初から忌み嫌うこと」

といった意味でも使用されることもあったり。

コトバというものは奥が深く、1つのワードでも複数の意味合いを含んでいるものがあっておもしろいものです。

食べ物の話はまったく出てきませんが、

さてさてあなたも食わず嫌いで損をしていませんか。

「大柄プリントは派手っぽいから」

「大ぶりのアクセサリーはクセが強そう」

「派手な色は注目されそうだし」

「やっぱり無難なコーデが目立たず安心」

そんな食わず嫌い。

世の中には楽しいアイテムがワンサカあふれているというのに。

インパクトは強いものでも身につけてみれば、他人から見た場合トータルコーディネートの一部ですから、アイテム単体の迫力はむしろポイントとして有効な存在感になり想像以上に似合っていたりするものなのです。

ずっと好きでこだわりを持って愛用してきた可愛いお洋服がだんだん似合わなくなってきたと感じてる?

ジーンズにTシャツなんて普通に今まで着ていた服がしっくりこない気がしてる?

いいな〜と思った服を着てみてもなんだか野暮ったかったりイメージと違う…

なんてこととか。

もう何をどう組み合わせればいいのかわからない、「着る服がない!」となってしまったことはありませんか。

イマイチな仕上がりで出かけてはみても、やっぱりどこか気に入らない気持ちのままだと自分らしく輝くことができなくなってしまうもの。

できればハツラツとした笑顔で、毎日をゴキゲンに過ごしたいのに。

コロナ禍で心のマイナス要素は確かに増えました。

旅行や帰省はもちろん、不急のおでかけもはばかられる日常において、オシャレして出かける予定も友達との集まりもなくなんとも心は曇り空。

心機一転アフターコロナを夢見て、ファッションの幅を広げる妄想の旅へと出かけてみましょ。

想像の世界で楽しむだけなら、感染拡大の恐れなんか0%!

クローゼットにある手持ちの服がどれもしっくり来ないな、なんだか服に着られているような気がするとモヤモヤ感じていれば、次のおでかけがさらに楽しみになるように、ご自身のワードローブやコーデパターンを見直す良いタイミングかも。

肌質や顔色、ライフスタイルやちょっとした体型の変化など、じわじわと変わっていくものって何かきっかけがないと気づかない。

いつの間にか似合う服がない、何を着てもパッとしないと感じるようになる原因はそういうところにも一因があるのかもしれません。

何を着ても似合ってると思えたステージに一旦幕を下ろし、次は自分に似合う洋服を見つけることや似合わせの演出に意識をコンバート。

色味や丈やサイズ感、素材によって変わるシルエットも印象を大きく左右する要素。

好きな色がイコール似合う色ではないことも残念ながらあるけれど、少し違った色味ならOKなこともあるので希望は捨てずチャレンジ。

それまで食わず嫌いだったものも、まずは手に取ってみて。

もしかして想像以上に今のあなたの心にピッタリ寄り添う、輝かしいお宝アイテムになるかもしれませんよ。

以前は絶対的パンツ派でした、頑ななほどに。

ここ数年はスカート率が上がっているようで、手持ちのボトムスの8割がスカートになっていることに気付きました。

体型の変化のせいもありますが、いちばんの理由は女性らしさを感じるものを排除することで逆に女性的になるスタイルを良しとしてきた長年のコーデパターンが全然イケてない、心地よい完成度にならなくなってきたから、ということ。

まさに「着るものがない!着たいものがない!」の状態。

色はほぼ黒、デザインは単純で装飾のない、良く言えばシンプル悪く言えば地味、カッコつけることしか考えていなかったような私が、スカートの裾をひらめかせているのですから人の心の変化とは不思議です。

ましてやドット柄や花柄などの華やかなテキスタイル、レースやフリルのあるデザインに心躍らせるようになるなんて。

ある日出会った少し落ち着いた印象のレトロな花柄ワンピースにはカネコイサオ(KANEKO ISAO)のブランドタグ。

カネコイサオは1990年にスタートしたブランドで、70年代から80年代にかけて一斉を風靡したピンクハウスのデザイナー・金子功さんが、ご自身のお名前を冠し立ち上げられたブランドです。

ピンクハウスのガーリーな世界観はそのままに、大人の女性に向けたシックなテイストが加わっています。

女性らしさを醸し出す素材の風合いや、ディテールへのこだわり、フェミニンかつ落ち着いたムード。

優しい風合い、上品なライン、美しい色合い。

流行に流されることなく、ブレることのないカネコイサオのファッションには、そこはかとなく漂う洋服への愛と哲学を感じます。

ワンピースは装いにおいてとても優秀なアイテム。

一枚で身支度は完成、それでいてきちんと装ってる感を与えてくれるのですから。

カネコイサオ作品はさらに可愛くてロマンティック、優し気な雰囲気。

エレガントな花柄が鮮やかに描きだされ、まとったその人自身までうっとりした気分に。

深層心理ではこういったメルヘンで夢見がちな自分が隠れているものなのかもしれません。

「プリント模様がわたしの晴着で、毎日が晴着の日。(anan'94)」との、デザイナー・金子功さんの言葉を目にしました。

若い頃は可愛さを全面に押し出したスタイルというのは、どこか気恥ずかしく無理だと思っていたのが、今回出会ったワンピース一枚で大きくイメージが覆り、何故、なぜこんなにも美しいものをわざわざ遠ざけ避けてきたのかと心で地団駄を踏む思い。

生地自体が上質かつ丈夫で縫製も丁寧、ヘタらない所も魅力であると金子ブランドファンの方が教えてくださいました。

そもそもワンピースは一枚で様になり楽ですし、スカート部分が程よくひらめいて風を通してくれるので特に夏には必須のアイテム。

一枚身にまとうことで得られる優雅さ気品。

柄が主張しすぎないので見た目にも暑くるしくなく、それでいて寂しい印象にならないってすごいこと。

テキスタイルとは布製品における生地や柄のことで、テキスタイルデザインとは衣類や雑貨などのアイテムに使用する織物生地のデザインを指すとのこと。

単純にその布の模様だけではなく素材や加工方法、配色やさらには機能面も含めた創意工夫と構想を発案し実体化したもの。

もともとはアパレル業界での専門用語のようですが、最近のファッション好きの人には浸透しているワードかもしれません。

主として「織物」を指す時に使われることの多い用語ですが他にも、編み物、革、不織布などもテキスタイルと呼ばれるのだそう。

同じように、マテリアルという単語も耳にすることがあります。

こちらは生地として仕立てられる前の原材料、つまりは糸などを指す用語。

マテリアルとは、加工の施されていない状態の材料を指して用いられるという点において、テキスタイルとは明確に違うことがわかります。

ただしそのどちらも、あらゆるファッションアイテムのデザインにおいてはとても重要な要素で、またその組み合わせは無限大。

デザイナーの知識と感覚がいろんなパターンをうみだし、我々の心をくすぐる多様な作品が世に送り出されてきたのです。

新しい化学繊維やリサイクル素材なども数多くあり、何を選ぶかは自分の感覚次第でまったく自由。

ただふと気づくと古い物でも今なお現役で使用しているものの多くはやはり、作りが良いように感じます。

へたらないのも実感しますがなにせ縫製がしっかりしていること、型崩れしないことなど、ちょっと感動するレベルであることも主張したいところ。

オシャレは、人生をより豊かに潤す、手軽で有効なサプリメントみたいなもの。

その効き目は何十年と経過しても効果があることを、また素敵な古着との出会いで学びました。


エディター : 高橋 由衣

www.instagram.com/iii.p_qiii/?hl=ja

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