原宿 ジャンルレスな変わったアイテムを取り扱う古着屋 「KINSELLA」
原宿通りに位置する、さまざまなジャンルや年代のアイテムを扱う古着屋さん「KINSELLA」。ファッションの激戦区、原宿の中でも一際目立ったネオンの看板に魅かれて入ると、そこまたミラーボールやぬいぐるみで装飾された店内。
一瞬、何屋さんなんだろうとと思ってしまうが、店内には幅広いジャンルの厳選された少し変わったアイテムがずらり。
今回はそんな、古着好きなら誰しもが知っている「KINSELLA」のオーナー山上さんと、店長の橋本さんにインタビューに行ってきました。
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「KINSELLA」さんがオープンされた経緯を教えてださい!
山上さん:2008年にオープンしました。今は路面に位置しているんですが、元々はここの地下にオープンをしました。先輩がそこで、ヴィンテージショップをやっていてやめるタイミングで場所を譲り受けました。
その後、2015年頃にこの路面に場所を移動しました。地下は、今、系列店のTOXGOというお店が入っています。
「KINSELLA」は好きなミュージシャンの名前から取って付けました。
オープン当時、この辺が全体的にアメカジのお店が多く、その中で勝負していくには「何をやったらいいか」ということで他でやっていない奇抜なお店にしました。
橋本さん:当時、僕はお客さんとしてきていたんですけど「なんだこの感じは」という印象でした。それくらい、ぐちゃぐちゃな感じでしたね(笑) それが面白くて、通い詰めました。
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それぞれ、古着を好きになったきっかけって何ですか?
(KINSELLAの店長:橋本さん)
橋本さん:ファッションを好きになったのは、小学校のときガチャベルトが流行っていて長ければ長いほど格好いいというところからでした。あとは、髪型とかですかね。
そこから雑誌を読み始めて、バスケが好きだったので好きな選手のモデルのバッシュを買ったりして、高校生くらいで古着に興味を持ち始めました。
高校3年生で雑誌の切り抜きを持って原宿にきて、「Hanjiro」とか「WEGO」に来てました。それから、ファッションが好きでよく原宿にいるようになりましたね。
大学を卒業した後、Helmut Langというブランドで5年働いたんですけど、次のチャレンジということで、元々やりたかった古着を選びました。
その頃、「TUNE」とか「FRUiTS」の奇抜な服装の雑誌が流行っていたので負けられないと思ったときに、「目立てる服って何だろうと」とたどり着いたのが「KINSELLA」の古着でした。
「KINSELLA」ができるまでは、割とDiorとかブランドものが好きで、そういうのばっかり買い漁っていたんですが、「KINSELLA」にきたときに衝撃的で、その時の印象がすごく強くて、働きたいですと山上さんに伝えました。
山上さん:僕は、中学校の時に姉の「Checkmate」という雑誌を読んだときに古着が載っていたのがきっかけでした。そこで、古着という概念を初めて知って全部が格好よくみえたんですよね。
当時は、ジャンル分けがしっかりとされていて古着系、アメカジ、スケーター、モッズ、ダンサーとかあったんですけど、その中でも古着系がしっくりきました。それから、雑誌をたくさん買って勉強をして、その波にがっつり乗った感じでした。
当時の雑誌を見返すと、今って90年代のものが流行ったりしていると思うのですが、その今熱いアイテムが載っていたりするので流行りはループするんだなと思いました。「POPEYE」を読んでいるかのようですね。
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これだけ様々なジャンルのアイテムを扱っていると、色んなお客さんがいらっしゃると思いますが、どんなお客さんが多いのですか?
橋本さん:そうですね。年代でいうと、10代後半〜40代の方までいらっしゃいます。
何でも置いてあるので服の系統が定まっているという方も、変なものが好きっていう方もいらっしゃいます。どちらのお客様にも、楽しんでもらえると思います。
一応、アイテムもメンズ6割・レディース4割くらいで取り扱っているんですが、今は女性もオーバーサイズを着られるので関係なく選んでいただいていますね。
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店内に人形とかおもちゃが置いてあるのは商品ですか?
山上さん:よく聞かれるのですが、売ってないものがほとんどです。(笑)スタッフとか私が買い付けに行く際に、いいと思ったものを選んで集めている感じです。
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買い付けはどこでされているのですか?
山上さん:買い付けは、アメリカの西海岸辺りをメインに行っています。
買い付ける際の基準というものはないのですが、基本的には「どこにでもあるもの」、例えば、ミッキーマウスが真ん中にプリントされているだけのTシャツとかは選ばないようにしています。
今は、コロナの影響で1年以上海外に買い付けに行けていないので、海外仕入れをしている国内の卸屋さんから買い付けをしています。
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古着とヴィンテージの定義って何だと思われますか?
橋本さん:どうなんですかね(笑) 自分的には、どっちでもいいと思いますけど、お店で仕入れる時は80年代くらいのものをヴィンテージ扱いとしています。
90年代後半くらい〜現行のものは古着の扱いでいいのかなと思っています。ショップや、人によって認識は違うと思いますが、個人的には細かく気にせず楽しんでいただければと思います。
山上さん:そうですね。ずっと、大体30年前くらいのものがヴィンテージなんでしょうね。「KINSELLA」では90年代のものが中心に扱っていて、80年代のものは全体の4割くらいのアイテムが当てはまるかなと思います。
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お客さんにどうやって古着を楽しんでもらいたいですか?
橋本さん:年代とかジャンルとか全然コンセプトがないので、同じように、気にせず全部をミックスして楽しんで着て欲しいですね。
これじゃなきゃダメ、これがお洒落というよりかは自分の感覚で好きなものを選んでもらえればと思います。スタッフもバラバラな服装でブランドものを着ていたり、ヴィンテージを着ていたりもするので「これがお洒落」というものはないですね。
うちのスタッフは、サイズ感とかどうやったらお洒落になるのかをお客様とお話ししながら一緒に選ぶことが得意なので、是非来店されたらお声がけいただければと思います。
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ありがとうございました!実際、スタッフさんも色んなジャンルの方がいらっしゃったので「ジャンルレス」という言葉がぴったりなお店でした。系列店も、たくさんあるので是非checkしてみてください!
KINSELLA
原宿に2008年オープンした古着屋
VINTAGE〜アヴァンギャルド〜80s〜アメカジまでジャンルレス、ボーダーレスなセレクトをする。人と被らないアイテムや、ちょっと変な物を取り扱う。
instagram:www.instagram.com/kinsellatokyo/
【系列店】
TOXGO(原宿)
FrankBlack(下北沢)
Instagram:www.instagram.com/frankblack2013/
Shury(渋谷)
エディター : Ryoka
フリーランスライター。普段は、不動産tech企業のカスタマーサクセスに従事している側ら、大好きであるファッションや、カルチャーについての取材やインタビューを行う。
フォトグラファー : Kengo Hanada
2021年に結成されたクリエイティブチームFKTEYの映像作家としても活動