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『古着店 熱田屋』“キモい”が褒め言葉!自己肯定感が高まる下北沢のエナジースポット

2年前閲覧 3,303

Vintage Cityスタッフがお店に訪れる度にいつもお客さんがたくさんいらっしゃる下北沢の『古着店 熱田屋』。

7月20日にオープン三周年を控え、いつもお忙しそうで、お店のこと、人気の理由などなど初めてゆっくりお話しを聞けるのを今日はとても楽しみにしていました! 

店長の熱田直斗さん、店員の高梨尊さんのお二人から語られる言葉は、『自分が面白いと思うことを貫き、自分の好きなように』と自分に素直になる勇気と背中を押してくれるものばかり。

押し付けず、でも受け入れてくれる懐の広さと愛あるエネルギーに満ちたお店であることは一度訪れると誰もが感じることでしょう。

そんな『古着店 熱田屋』でインタビューの時間をいただきました。

“自分が面白いことを好きなように”を実現した古着店

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熱田屋の店内に入ると次々に目に飛び込んでくる、個性的な90年代や00年代の数々のジャパニーズポップカルチャーがプリントされた服たち。

90年代が青春期だった人間なのでたまらないラインナップです!お店のコンセプトや商品選びは全て熱田さんが決められているのですか?

熱田直斗さん(以下、熱田さん):原宿で「ROOT」っていう古着屋をしているオーナーの須藤と一緒にアメリカやイギリスを中心に買い付けたりしていますけど、僕の意志を汲み取ってくれています。
僕の名字が店名になっていますが、オーナーは僕ではないんです。

19歳から下北沢の古着屋で働き、その後アパレルのメーカーに就職して4年半働いたんですが、ちゃんとした会社、サラリーマン的な動きが出来なかった。笑

社会不適合者なんで、『あぁ、こりゃだめだ』ってことで古着に戻ろうと思って、10代の頃からずっと友達の須藤に、『自分の古着屋をやりたいんだよねぇ』って話したら、『今、2号店を出そうと思ってんだけど、じゃあ一緒にやろうよ!』から熱田屋をオープンしました。
表立って原宿のROOTと系列店とは言っていないけど、隠しているわけでも何でもなく、他意はありません。笑

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そうなのですね!熱田さんはスラムダンクのトップスを着用されていますが、日本のアーティストものの他にエヴァンゲリオンなどアニメものもたくさんありますね!

今の日本の若い子は自分たちが生まれる前の日本の90年代カルチャーが好きなようですが。

熱田さん:実は日本よりも海外の方がこういった日本の90年代カルチャーものは人気なんですよ。日本の方が値段が安いくらい。例えばセーラームーンとかすごいことになっていて、もう売れちゃったけどうちでもセーラームーンのTシャツを5万円で出していました。5万円のTシャツって高いじゃないですか?でもアメリカだったら600ドル以下では絶対に出ない。800ドル以上でも売られてるんですよ。

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最近の中国のドラマでもセーラームーンが出てきていました。

熱田さん:有名なアーティストの方が着ていたり、音楽だとシティポップが流行っていたり日本の昔のカルチャーが世界でピックアップされてきています。

ビリー・アイリッシュとかもアニメーターとコラボレーションしたりね。知人の話ですが、アメリカのディーラーが日本の古着アイテムが欲しいと言ってきたので、どんなのが欲しいか尋ねたら、屈強な体格の男性が「セーラームーンのものが欲しい」って言ってきたらしいですよ。

そんな時代になっている。

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今、求められているもの、それとも自分が扱いたいもの、どちらの方が気持ちが強いですか?

熱田さん:どうだろう、僕はずっと好き勝手やってるんで笑。僕が面白いと思えるものをやっていたら流れとそんなにブレていないと思っています。

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古着屋を営む醍醐味は何でしょうか?

熱田さん:サラリーマンをやっていたので、つまんないんっすよ。マジつまんないんっすよ。多くの人と関わるのに、直接の人との関わりがない。お店に置いてもらって商品が売れる、その瞬間に関われない。肌感覚が無いんです。それが今は自分の手の内で完結するのが僕は一番楽しい。

シュッとしたカッコいいのは僕には恥ずかしい。ダサい方がカッコいい。自分の感覚に素直なのが一番かな。

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熱田屋にはどういった方がお客様でいらっしゃいますか?

熱田さん:変わった人ばっかりっすよ笑。うちのラインナップを面白いと思ってくださる方ばかりです。

常連さんだと買い物じゃなくてここを友達の家かい?っていう感覚で来たりとか笑。フラっと来て話しだけしにくる子とか。毎日来る子もいます。

よく来てくださる方は20代前半の方が多いかな。

男の子が多かったけど、スタッフに女の子が入ってくれてからは女の子のお客様も増えました。

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大人にとっての行きつけのバーのように放課後のたまり場ですね。心の拠り所でもあると思います!

熱田さん:そういう毎日話しをしに来る子が服を見出すと、”あれ?今日は服を見るの?”ってなります。

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服屋さんですからね 笑

熱田さんご自身が服を好きになったきっかけはありますか?

熱田さん:小さい頃から着る服は自分で選んでいたんですけど、一番覚えているのは高校2年生の修学旅行。オーストラリアに私服で行く修学旅行で、どんな服を着ていくかの話になったんですよ。

僕、自分ではそんなにオシャレと思っていなかったけど、友人から「おまえはオシャレだからいいよな。」って言われて。それがすごいプレッシャーで笑。

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あぁ!そっちですか?嬉しいじゃなくて?笑

熱田さん:急いで雑誌を買って読んで、原宿の古着屋さんに買いに行ったのを覚えていますね。

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高校生当時、オシャレの参考にしていた憧れの人とかはいましたか?

熱田さん:雑誌に出ている美容師や読者モデルの方を参考にしていました。あと、音楽も好きだったんでニルヴァーナのカート・コバーンの真似とかしていました。ニルヴァーナのTシャツは今もすごい人気がありますね。

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そこから服の世界にどんどん入っていかれたのですね。
面白さ・楽しさを商品のラインナップでもすごく重視されているように思うのですがセレクトのポイントはなんですか?そして”面白い”って何ですか?

熱田さん:変な話になるんですけど、シュッとしたカッコいいのって僕は恥ずかしくて。ダサい方がカッコいい。カッコつけにいくと急にカッコ悪くなると思っている。モテようとしてる人はモテない、とか。そういう天の邪鬼なところがあって。

最近、ライブ配信やTikTokをしていると、若くてファッション関連のことをやりたい人が見てくださっていて、”オシャレって何ですか?”という質問をいただくんです。
それで考えたんですけど、オシャレって正直、人の数だけ感覚があるじゃないですか。何が一番オシャレって言われるんだろう?と思った時に、一番売れているブランドのボディやルックをそのまま着るのがいいんじゃないか。それがユニクロのトルソーが一番売れていて一番オシャレなんじゃないですか?って言ったんです。

でも僕はそれがオシャレだとしてもカッコいいとは思わない。

一番カッコいいと僕が思うのは、自分のオシャレやカッコいいという感覚を信じて服を着ている人、と言いました。そう思ってやっています。

自分の感覚に素直なのが一番かな。

その人にとってスペシャルな古着がヴィンテージでいいんじゃない

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お話しにも出ましたTikTokやYoutubeはかなりの数をアップされていますね。

熱田さん:Youtubeの方が先で、2年前かな。熱田屋の目の前が以前はイベントスペースだったんですよ。音楽のイベントとか色々やっていて、Youtuberのゆうこすさんが生誕祭をやった。その時はゆうこすさんを存じ上げなかったんですけど、エッッッグイほど人を呼んでたんですよ。ドレスコードがピンクのアイテムを身につけることだったんですけど、下北沢がピンクで溢れかえってたんです。

Youtubeに興味はあったけど踏み出せていなくて、それを目の当たりにして、『これはやんなきゃいけない!』と。

あのピンクの光景を見たらYoutubeをやらない選択肢はない!

そして去年の6月からTikTokを始めました。

よすこ松本という古着情報を発信しているTikTokerがいて、店の前でイベントをしていた時に知り合って、うちのお店をTikTokで紹介してくれたたらインスタグラムのフォロワーが2000人くらい増えた。”え?おまえエッッッグイな!”って、で、うちのYoutubeにも出てくれたら再生回数も多かったし、俺にもTikTokを教えてってことで始めました。

熱田屋のTikTokアカウントフォロワー数は3万人以上!(2021年6月現在)

TikTok: @atsutaya_tiktok

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熱田屋を表現するとしたらどんなお店でしょうか?

熱田さん:僕の好きな音楽の言葉で、”オルタナティブ”というのがある。音楽のジャンルとして使われることが多いですが、本来の意味として”選択肢”。メジャーとかじゃなくてもう一つの選択肢という意味合いがあって、僕の店の服もメジャーじゃなくても、全部ではなくても一つの選択肢でこういう服があるよって楽しんでもらえたら。

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Vintage Cityに掲載して何か変わりましたか?

熱田さん:お客さんが来てくれましたよ。あと、知り合いから”こんなんやってるんだ”って連絡があったり。

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最後に、古着とヴィンテージの違いって何でしょう。

熱田さん:古着というのは二次流通の服。ヴィンテージは色んな定義があると思うんですけど、何年のものとか、誰のものとか。

そういう考えはもう遅いなと思っていて。

英語で言ったら古着で扱われている服はヴィンテージと言うじゃないですか。でも、日本で古着屋をやっている自分が言うとなんか違うな、と思っていて。

その人にとってスペシャルな古着がヴィンテージでいいんじゃないかな。


熱田屋オススメアイテム紹介

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熱田屋のオススメアイテムを教えてください。

熱田さん:7月20日の三周年記念で出す予定のTシャツです。

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ごっつええ感じ!しかもとてもキレイで状態の良い白Tシャツ!これは激レアアイテムですね。

熱田さん:滅多に出てこないし、出てもすぐに売れちゃうアイテムです。しかもそれぞれデザインが違って「おかんとマー君」のTシャツもあります。
今回も数は多くないので三周年記念の際に是非。

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三周年記念で出すアイテムを選ぶ基準は?

熱田さん:変なTシャツの中でも出ないよ、変なTシャツ界でも評価が高くてこれおもろいでしょ、っていうもの。

あと、誰に届くかわからないけど僕はこれが超好きなんですよ。

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おお!千原兄弟!

熱田さん:あとはアメリカ規格の幽遊白書Tシャツ。

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日本のアニメって本当に人気なんですね。

熱田さん:リル・ウージー・ヴァートっていうラッパー知っていますか?彼はNARUTOが超好きで綱手に憧れすぎて額にピンクダイヤモンドを埋め込んだんですよ。

あとこれは宇多田ヒカルさんと安室奈美恵さんのライブTシャツ

他にはイギリス軍とかに作っているレーベルが出したミニタリーベースのテクノパンツにこっちがロンドン警察の制服です。

国が変わればかっこよく見えるのはどこも同じで、昔、Run-D.M.C.が何かのミュージックビデオで日本の警察の服を着てましたよ。

三周年記念ではこんなおもしろアイテムがたくさん出ますので、是非お越しください。


【取材を終えて】

インタビューとオススメアイテム取材の後、熱田さんと店員の高梨さんにはコーディネートのスナップショットにもご協力いただきました。

お店のアイテムから選びスタイリングされる中でこんな会話が。

熱田さん「あ、これダサくていいんじゃん?超キモい。」

高梨さん「うわ〜超キモい。”キモい”ってうちのお店では褒め言葉なんですよ。熱田屋では最上級の褒め言葉。

熱田屋に来るお客様のほとんどの方が、熱田さんに”キモい”って言われに来てると思う。笑

“キモい”って言われるとみんな超喜んでいますもん。」

原宿のKAWII文化に続き、下北沢のKIMOIが世界共通語になる日はそう遠くはないかもしれないですね。笑

色んな選択肢があること、ダサいをカッコいいと許容してくれること、キモいがディスりではなく愛が込もった賛辞なこと。

自分に自信が無くなったら熱田屋に来たらいい。

ここは下北沢のエナジースポットです。


Vintage.Cityの古着店 熱田屋ショップをチェックしてみてください。

カジュアル, アメリカン, ミリタリー, アバンギャルド, モード, グランジ, ストリート, スポーツ

古着店 熱田屋

東京都世田谷区北沢2-5-7 吉野ビル2F

下北沢駅東口より徒歩3分

03-6450-8794

営業時間 12時〜20時

Youtube: 熱田記念日

TikTok: @atsutaya_tiktok

Instagram: @atsutaya_honten

Instagram: @atsutaman


エディター : 上月マキ

Twitter:twitter.com/__maki_k

Instagram:www.instagram.com/__maki_k

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