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「【池田市・ataco garage】愛着が湧くモノだけを届けたい - 古着屋オーナーの"First" Vintage vol. 44 」

7 months ago558 views

≪今回取材をしたのはこんなお店≫

阪急池田駅から徒歩圏内の住宅街に位置する「ataco garage」。開店以来変わらず、アメリカやヨーロッパのヴィンテージ、レギュラーを中心に本当に良いと思うものだけを実直に届け続けてきた人気のお店です。中学時代から愛してやまないという古着への想い、アイテムへのこだわりについて、オーナーの福井さんにお聞きしました!

1:福井さんの"First" Vintageを教えてください!

ataco garage オーナー

造園業を経てWeb制作に携わり、ECサイトづくりのノウハウを学んだ後、独立して2012年にataco garageをオープンし古着の世界へ。趣味は観葉植物で、洋服とどうバランスよく店内にレイアウトするか日々頭を悩ませるというほどのこだわりよう。

最初に購入した古着は‥‥ 【70sのグリーンのプリントTシャツ】

※画像はイメージです

——初めて購入したアイテムについて教えてください。

中学生のときにアメ村で買った70sのプリントTシャツが最初だと思います。色はグリーン。確かヒッピーっぽいデザインだったと記憶しています。

当時、中学生の自分にとってアメ村は少しハードルの高い街。店員さんは大人ばかりで、入り口に怖そうな外国人が立っていることも。興味はあるけれど、半分びくびくしながらお店に入っていたものでした。

いまも忘れられないのが、値札に「2000円UP」と書いてあったこと。2000円だと思ってレジにもっていたったら、「2000円〜」という意味だと聞かされて提示された値段が4000円。引くに引けず購入した思い出があります。

でも当時は古着の人気が高く、とくにアメ村には非日常な雰囲気があって活気に満ちていました。博物館のような感覚でショーケースを眺めたり、何階もあるビルの最上階まで上がって階を下りながら物色したり。とても楽しかったのを覚えています。

2:若くして古着のとりこに。好きなものを売りたくてお店をオープン

——お店を立ち上げるまでのいきさつを教えてください。

もともとは造園業をしていて、その後、病院の電子カルテなどをつくるシステム開発の会社に転職してECサイトの制作などを担当していました。ECサイトや店舗を運営するノウハウがわかったところで、自分が好きなものを取り扱いたいという気持ちが強くなり、2012年にこの店をオープンしています。

そもそも古着が好きになったのは中学生の頃。高校生だった姉がアメリカでの短期留学のお土産に、いわゆるピチTを買ってきてくれたんです。それが自分にぴったりのサイズ感で、フィットする感じがうれしくて。当時はアメカジが流行してフリマがいろいろなところで開催されていた時期。おのずと古着の魅力にとりつかれていきました。

古着を着ているときの自分がとても好きでした。相性が良かったんだと思います。

——店名の由来について教えてください。

自分と妻、娘の名前を一文字ずつ取ってつけました。本来なら「atako」となるところかもしれませんが、「c」にしたのは「k」よりもかわいいと思ったから。「garage」は、ごちゃごちゃした感じが好きなので、そんな雰囲気を出せたらと思って付けました。

3:見やすさを心がけつつ、かつて自分が好きだったお店の雰囲気を再現

——インテリアで気をつけていることはありますか?

中学の頃に自分が好きだった古着屋さんの雰囲気を無意識のうちに目指していると思います。いわゆる古着屋らしいごちゃっとした感じが好きなんです。良い意味で雑多な感じが出せたらと思っています。

もちろん、見やすさは心がけていますよ。ユーロのシャツやポロシャツはこのあたりに、ここにはオールドをという具合にカテゴライズしたり。また取り出しやすいようにほとんどのアイテムをハンガーにつるしています。

——お客様の年齢層は?

20歳前後から50代まで、幅広い方が来てくださっています。メンズ向けアイテムがほとんどなので、7:3ぐらいで男性が多いですね。

土地柄、ふらりと来てくれるのは近所の方だけで、多くはSNSなどを見てお店のことを調べて来て下さる方です。ちょうど県境にあるので、伊丹や尼崎、豊中あたりからのお客様も多いですね。

先日も岐阜からはるばる来てくださった方がいて。本当は涙が出るくらい嬉しかったのですが、お客様に迷惑をおかけしないよう、弾む気持ちを抑えるのに必死でした(笑)。

——接客で心がけていることはありますか?

自分はあまり話しかけられるのが好きじゃないので、極力お客様にも喋りかけないようにしています。お困りのことがないかと気にしてはいますが、「何かお探しですか?」と聞くこともないですね。探しものがあればお客様のほうから聞いてくださいますから。ゆったりお買い物をしていただけたらと思っています。

4:開店以来、ブレることなく一貫して同じものを提供

——どういったアイテムを取り扱っていますか?

古いものは50s、新しいものだと90sまで、アメリカやヨーロッパのヴィンテージ、レギュラーを幅広く扱っていますが、常に何かしら置いているのが個人的に好きなラコステ。あとはユーロのワークウェアの比重も大きいですね。

アメリカものではラッセルが多いのがうちの特徴。個人的にはチャンピオンにひけをとらない質の高さだと思っています。値段が安定しているいまが買い時。そのうち人気が出て手が届きにくくなるでしょうね。

開店からのこの10年、流行を追いかけることなく、一貫して同じものを扱ってきましたが、扱うものの年代は少しずつ若くなってきています。以前、Tシャツは70s〜80sばかりでしたが、最近は90sのものも。新しくても良いものはあるので、うまく馴染ませながらやっています。

——どのくらいの頻度で商品の仕入れをしていますか?こだわりとあわせて教えてください。

2ヶ月に1回くらいのペースで仕入れています。以前は海外の知人を頼って海外から買っていたこともありましたが、いまは主に国内で買い付けていて、多い時で一気に300点ほど入れることもあります。

愛情を注げないものはどう売っていいかわからないので、基本的には自分が好きなものを選ぶようにしてます。レディースものの扱いが少ないのもそれが理由です。説明できないものはお客様にお売りできませんから。

あとは撮影時に嘘をつかないこと。なるべく本来の姿が伝わるように、自然な形で撮るように心がけています。良く撮ってあげたいとは思うのですが、購入してくださったお客様のイメージを裏切ってしまっては元も子もないですから。アイテムが持ってる魅力を最大限に引き出してあげることを意識しています。

——明るいカラーのものが多く、それが若い子に刺さっているように思いますが、意図してのことですか?

言われてみると確かに、同じアメカジやユーロワークを扱っている他のお店と比べると明るい色味のものが多いかもしれません。個人的な好みが影響していると思いますが、意識したことはなかったですね。

5:難しいことは何もない。ただ素直に楽しめるのが古着の魅力

——古着初心者の方に、古着の楽しみ方のアドバイスをいただけますか?

良いと思うものを素直に買って着ていただければと思います。あまり難しいことは考えずに、直感にしたがって気楽に楽しんでみてください。

最初に買うとしたら、ラコステのポロシャツがおすすめですね。親御さんにダメ出しされることもないし、年齢に関係なく長く着られますから。絶対に損はしないと思いますよ。

また、これからの季節なら半袖のニットシャツや合わせるアイテムを選ばないブルーのシャツもいいかもしれません。

ユーロものならスタンドカラーのグランパシャツあたりもおすすめです。

ちょっと珍しいものがお好きな方にはUSA Dickiesのデニムなんてとても粋だと思います。

——今後、どんなお店にしていきたいですか?

これからもこれまで通り、手の届く範囲でスモールビジネスをずっとやっていけたらと思っています。良いものは減っていくばかりですが、従来のスタイルを維持していくのが今の目標ですね。

取材の中で、「なかなか綺麗に撮れない、手のかかる子がいてね…」とまるで実子について語るかのように、愛情深くアイテムについて話す姿がとても印象的でした。愛すべきアイテムが揃う、「ataco garage」さん。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ足を運んでみてください!


ataco garage

大阪府池田市神田4-1-5

営業時間:月~金・日 10:00~18:00 土曜日 12:00~18:00

定休日:毎週水曜日・第2、4日曜日

Instagram:https://www.instagram.com/ataco_garage/


エディター:Yoshihiro

ヴィンテージフリークのフリーライター。ファッションEC批評を中心にウェブメディアの幅広い領域で活動中。趣味はひとりで古着屋巡りをすること。好きな食べ物は、うに。

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