VintageCity

― 年代等について ―

1930年代～40年代にアメリカで仕立てられたシングルブレスト コートです。
良質な生地感、仕立ての丁寧さは現代のものより圧倒的に優れており、そのクオリティに慣れてしまうと現代ものは着られません。
ウールの密度も現代のものとは比較にならないほど高いため、非常に暖かいです。

年代特定に便利なユニオンラベルは見当たりませんが、仕立て方や生地質、ボタン等から判断すると1940年代に仕立てられたものだと思われます。

両腰ポケットは入口が2つに分かれており、1つは普通のポケット、残りの1つはコートを着ながらジャケットやスラックス等のポケットの物を出し入れできるように貫通させた作りになっています。（写真 8枚目）
近年ではほとんど見かけませんが、1940年代辺りのシングルブレストコートには割と見られる作りで、使ってみると非常に機能的な構造です。
また、比翼仕立ての前合わせや、合わせが深くなるようなボタン位置も1940年代以前によく見られる仕立て方で、ビンテージ特有の雰囲気演出に一役買っています。




― コンディション ―

表地、裏地ともにこれといったダメージや汚れは見当たらず、年代を考慮すれば奇跡的に良好なコンディションと言って差し支えないでしょう。




― 生地感と色味 ―

色は明るめで少し杢がかったグレー地に、ブルーのチェック柄が施されています。
よく見るとチェック柄の縦線に沿って織りが反転しており、一部ヘリンボーンのような凝った仕上げになっています。

近年の物に比べると厚手でありながらも柔らかくしなやかな生地を用い、背中部分の裏地がない背抜きを採用するなど、大きな国土の幅広い気候に対応するための工夫や着心地の軽さ、動きやすさ等の実用的な部分が考慮されたアメリカらしい仕上がりだと思います。
その質感から醸し出されるビンテージならではの高級感を肌で感じ取る事が出来ます。




― 実寸 ―

肩幅 46.5cm
身幅 58cm (脇下から脇下)
ウエスト 58cm （第二ボタンの少し上）
袖丈 63cm
後ろ身丈 110cm