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【茨城県・glows】学生たちの感性で古いものに輝きを。文化デザイナー学院が目指す新しい古着屋のカタチ- 古着屋オーナーの"First" Vintage 番外編-

7ヶ月前閲覧 380

≪今回取材をしたのはこんなお店≫

JR水戸駅前から伸びるメイン通り沿いに建つ専門学校 文化デザイナー学院。その地下1階にあるのが、国内では珍しい学校が運営する古着屋「glows」です。

厳選されたヨーロッパ古着のほか、ここでしか手に入らない学生さんたちがリメイクした洋服や雑貨が手に入ることから人気を集めるこのお店。成り立ちやお店のコンセプト、インテリアのこだわりなどについて、同学院で教員を務める黒須先生とファッションビジネス学科3年の坂本さんにうかがいました。

1:古いもの、捨てられるものに光をもう一度

——お店を立ち上げるまでのいきさつを教えてください。

黒須先生:学校の地下にテナントとして入っていた喫茶店が退去することになり、スペースを有効利用できないかと学内で議論した結果、古着屋を立ち上げることに。お店の運営自体を学校のカリキュラムと連動させるかたちで、コンセプトの立案から学生が中心となって進め、2021年の10月3日にオープンしました。

最初に取り組んだのがインテリアデザイン。プロのデザイナーの先生の指導のもと、学生たちがプレゼンしたデザイン案の中から最終的に選ばれたものが採用されています。

コンセプトのキーワードとなったのは、「ヴィンテージ」や「アンティーク」。古着のネガティブなイメージを「貴重なもの」「歴史のあるもの」といったポジティブなイメージに変換する狙いがありました。

——無人店舗にした理由は?

黒須先生:オープン当時はコロナ禍の真っ只中。東京などでは無人の古着屋さんやバーチャル着替えなど、非接触型のお店が増えていました。社会的にも教育的にも、新しい業態を積極的に取り入れようと無人店舗にしています。

——店名の由来を教えてください。

黒須先生:「glow」という言葉には「輝く」という意味があります。使い古されたものや捨てられるものに命を吹き込み、もう一度輝かせたいという思いを込めてそう名付けました。名付け親はもちろん学生たち。全員が意見を出し合いながら決めました。

2:古着だけでなくリメイク品やリペア家具もラインナップ

——古着のバイイングも学生さんが?

黒須先生:学生たちが買い付けをするのは負担が大きいため、プロのバイヤーさんに協力いただいています。ただ、毎月打ち合わせをしていて、「今月はこれが動いたから、来月はこんなテイストでいこう」といった具合に、こちらから積極的に提案させてもらっています。

また、「glow」では古着のほかに学生たちが作ったリメイク品も取り扱っています。リメイク品に関しては、ビジネスの流れを体験してほしいという考えから、作って終わりにするのではなく、売上金の一部を学生に還元しています。

——どんなアイテムを扱っていますか?

黒須先生:幅広いテイストの古着を置くようにしています。アイテムとしては、メンズが多めで7〜8割を占めますが、女性がオーバーサイズで着られるようなM〜Lサイズが中心です。

雑貨も扱っています。こちらは捨てられていたものや捨てられる直前のものを磨き上げたり、作り変えたり。また当校の建築設計デザイン学科の学生たちがリペアした家具も販売しています。

そのほかにも、たとえば地元のアパレル企業 株式会社フクダ様からご提供いただいた衣料ロスとなった洋服をリメイクした商品、余ったコンクリートで作ったオリジナルのプランターなど、多くの商品を取り扱っています。

また、ウクライナ支援を目的として立ち上げられたブランドのオリジナル商品がfabmeというオンラインサイトで購入可能です。

古着にしてもリメイク品やリペア品にしても、私たちが学生に伝えたいのは、サステナブルの精神です。どの業界でもSDGsが話題となる中、世界の新しい常識として知っておいてほしいという思いで取り組んでいます。

——どんなお客様が多いですか?

黒須先生:20〜30代の女性がもっとも多い印象ですね。ただ当校は約70年の歴史があるので、古くから知る年配のお客様もたくさんいらっしゃるなど、幅広い方にご利用いただいています。

3:ヨーロッパのカフェをイメージしてインテリアをリニューアル。より女性が入りやすい雰囲気に

——昨年、坂本さんのデザイン案をもとにインテリアをリニューアルしたそうですね。心がけた点を教えてください。

坂本さん:先輩たちがつくったコンセプト大切にしながら、より女性が1人でも入りやすいようなデザインを心がけました。お手本にしたのは、ヨーロッパの古着屋さんやセレクトショップ、カフェなど。雰囲気のいいお店の写真や動画を参考に細部を作り込んでいきました。

女性が入りやすくしたいと思ったのは、私自身が古着屋に入りづらいと感じることがあるからです。意識したのは、どこに何が置いてあるかが一目でわかるようなディスプレイ。店内の中央に大きな柱があって全体を見渡しづらかったので、テーブルなどを使って配置を工夫し、開放感のある空間づくりを目指しています。

また、家具を実際の部屋のようにかわいく並べたスペースも。撮影スポットにしてもらえたらと思っています。

——とくにこだわったところは?

坂本さん:もともとキッチンがあった場所を隠すためにパッチワーク生地を使っています。大量の生地が必要な上になかなか長さが合わなくて、作業に丸3日かかるなど苦労しました。

中央の柱の装飾もこだわった点です。古着や自分たちが編んだ生地をふんだんにあしらって圧迫感を抑えました。

4:「glows」での実践が学生たちの成長のきっかけに

——「glows」の運営を経験してみて大変だったことや、逆にやりがいを感じたことは?

坂本さん:ゴールに向かってみんなをまとめたり、デザインを形にできるまでモチベーションを維持したりするのが難しかったです。中には途中でやる気を無くしてしまう子もいて。全員でやらなければ意味がないと思っていたので、周囲を盛り立てるのに懸命でした。

また、SNSビジネスの勉強もしているので、Instagramの運営などにも携わらせてもらい、やらなくてはいけないことをまとめるのにも苦労しました。

一方、お店で撮影した家具や購入した洋服の写真をインスタにあげてくださったのを見たときは、やってよかったなと思いました。お店に落書き帳が置いてあるのですが、そこに「かわいかったです!」「また来ます!」と書いてあるのを見つけたときも、本当にうれしい気持ちになります。

また、古着を仕入れてくれている業者さんからお声かけいただいて、「MITO FURUGI MARKET」にも「glows」として出店させてもらってきました。私自身とても古着が好きですし、人と話すのが好きなので、とても楽しい経験をさせてもらっています。

——「glows」の活動を通じてどんなことを学びましたか?

坂本さん:「glows」に関わる前は、「自分がやりたいから、こんな企画をしたい」という気持ちがモチベーションになっていました。ところが、お店の運営を経験して、「お客様がこう思ってるから」「地域の方がこういうことをやりたいと言っているから」と考えるように。相手目線で物事を考えられるようになったと思います。

5:新しい水戸の名所に。学外にも積極的に出店予定!

──今後どんなお店にしていきたいですか?

黒須先生:水戸の古着屋といえば「glows」と思ってもらえるような、地元の方から愛されるお店にすることが目標です。また学生にとっては、よりいっそう成長につながる経験ができる場にしていけたらと思っています。

──学外での活動についてはいかがですか?

黒須先生:「glows」としての活動ではありませんが、ファッションビジネス学科の学生が、「愛と狂気のマーケット」と題して、9月にラフォーレ原宿さんに出店し、商品の展示・販売をさせていただきました。とても貴重な経験ができたと思っています。

また、「glows」としては来年の2月に水戸オーパに、5月には第12回水戸まちなかフェスティバルに出店する予定です。坂本さん:水戸オーパのポップアップショップでは、私たち学生が店舗デザインも担当する予定です。ぜひ遊びにきてください!

──未来の「glows」運営メンバーに向けて、メッセージをいただけますか?

黒須先生:「glows」の運営に興味のある方であれば、高校生はもちろん社会人も歓迎します。将来自分のお店を持ちたいと考えている方をはじめ、ファッションビジネスを学びたいと思っている方にはきっと貴重な経験をしていただけるはずです。体験入学会も実施しているので、お気軽にご参加ください!

Vintage Cityでも「glows」の商品が購入できます。こちらもぜひチェックしてみてください!


glows

茨城県水戸市泉町1丁目3−22 専門学校文化デザイナー学院 地下1階

営業時間:11:00~18:00

定休日:不定休

Instagram:https://www.instagram.com/reuse_shop_glows/


エディター:Yoshihiro

ヴィンテージフリークのフリーライター。ファッションEC批評を中心にウェブメディアの幅広い領域で活動中。趣味はひとりで古着屋巡りをすること。好きな食べ物は、うに。

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