連載以後、大好評の古着屋巡り記事。
今回は名古屋の昔からある古着街、大須エリアをピックアップ！
昔から古着屋が栄えていた大須エリアは、老舗の古着屋から新しく参入した古着屋が入り混じり、新陳代謝を繰り返している印象。周りにはカードゲーム屋さんやメイドカフェ・レコード屋さんなどが並び、サブカルチャーの雰囲気が強かったり、昔懐かしい商店街があったりする大須は、下北沢・秋葉原・高円寺をギュッと凝縮したかのような雰囲気があるとも言われています。古着はアメカジ古着が豊富で、老舗の古着屋さんが多数点在。 今回は初めて大須で古着巡りをする方に向けた、オススメの古着屋を3つ紹介します。
[目次]
・Feeet 2nd
キャラT、ロックT、企業Tなどサブカルチャーの古着をメインに 幅広い知識を教わりながらスタイリングまで提案してくれる古着屋！
・ROCKING HORSE
音楽が大好きなオーナーさん。 目当てのバンドTを探している人はまずここへ！
・salvia
下北沢の古着屋から独立して大須に店を構えた古着屋。 アメリカ古着をメインに、初心者も上級者も楽しめる！
サブカルチャーファッションを集約した古着屋【Feeet 2nd（フィートセカンド）】
名古屋・大須エリアの古着を代表する古着屋「Feeet（フィート）」は本店とupstairs、Feeet 2ndにジャンル分けされています。Feeet 2ndの店長である原田さんにお話を伺いました！
ーー各お店の特長を教えてください
原田さん：「赤門の通りにあるFeeet本店は、エッセンスを加えたアメカジスタイル。メインは、70〜80年のアメカジの定番をメインに、ひとつエッセンスを加えたスタイルを提案します。その2階にあるupstairsは、伝統と革新というテーマをコンセプトにしながら、VINTAGEアイテムをベースに様々な新しい提案を行っています。 そしてFeeet 2ndは、サブカルチャーファッションを集約したお店。
バンドTやキャラクターT、企業Tなどジャンル豊富に取り揃え、90年代から2000年代のアイテムをメインで置いています。」
ーー本店とFeeet 2ndで来店するお客様の雰囲気は違いますか？
原田さん：「本店は路面店になっているので、若いお客さんも入りやすいようです。 根っからの古着好きな人は、upstairsに。
Feeet 2ndは、若い人もいれば、80～90年代当初の古着ブームからずっと好きな人や年配の人も足を運んでいる印象です。キャラTやバンドTを探しに当店を目当てに来てくれたり、東京や大阪から着てくれたという声も。カップルで来店され、後日女性だけで来てくれたパターンも多いです。」
Feeet 2ndは、ガラス張りになった2階にあり、開放的な雰囲気。ゆっくりと見ることができます。
ーー店内のこだわりはありますか？
原田さん：「まず目に入るものを、入口近くの低い棚に平置きしました。今売り出したいキャッチーなアイテムを見やすく展示しています。バンドTは、常時50～60枚ほどを奥に。」
ーーどんな古着を探しに来ている人が多いですか？
原田さん：「若い子だと、SNSで流行しているアイテムをピンポイントで探しに来る人が増えました。当店に来てサブカルチャーをあつめた古着のラインナップってこんなにユニークで面白いんだというのを知ってくれたら嬉しいです。」
原田さん：「例えばこちらは、80年代のEcho & The BunnymenというイギリスのバンドTです。
イギリスのバンドTというだけでも珍しいのですが、よく見るとアメリカツアーのときに作られたTシャツだとわかるかと思います。おそらくライブ会場でパーキングロットとして販売していたのではないかなと。またパキスタン製のコットン100％でできていてタイトなのも魅力的。80年代らしい着こなしができるんじゃないかなと思っています。
コーディネートはアウターを羽織ってカモフラージュさせつつ、太さのあるストレートもしくは細めのパンツが相性いいのではないかと思います。カルチャーを意識するなら80年代の格好によせて、リーバイスの511のスキニーっぽいパンツの上にレザージャケットを着てもかっこいいなって思います。」
原田さん：「企業・キャラクターTシャツが好きな方におすすめしたいのがアリスインワンダーランドの企業Tシャツです。よく見ると、アリスインユーザーランドと書いてあり、アリスがパソコンを使っています。
袖にはグーグルのマークがあるなど、ユニークなのですよ。」そんな話を聞いたら買わずにはいられませんね！Tシャツの愛着がより増してくる素敵な接客をしてくれます。
ーー春のオススメアイテムを教えてください！
原田さん：「ブラックデニムのGジャンがおすすめです。こちらは、リーバイス90年代の70507という型の超ビックサイズ。身幅のしっかりあるサイズ感と襟がコーデュロイなのがとても珍しく、当店らしい1枚としておすすめです。着こなしは細身のスラックスを合わせるのが一般的かもしれないですが、あえて太めのカーゴパンツに足元はローファー、中はパーカーを出すように…と、90年代っぽいスタイルで着て欲しいですね。」
原田さん：「古着からインスパイアされたオリジナルも全店舗に置いています。
白いラインのセンターステッチが入ったロンTや7分袖のTシャツ等、古着と相性のいいオリジナルアイテムを作っています。」
古着の知識・物量にも申し分のないフィートセカンドで愛着ある1着を探してみませんか♪
Feeet 2nd
住所：〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3-12-43 安田ビル2F
電話番号：052-242-7599
営業時間：月・火・木・金曜日 15:00 - 19:00 土・日曜日 13:00 - 19:00
定休日：水曜日
Vintage Cityリンク：
音楽が好きな人なら大収穫！【ROCKING HORSE（ロッキンホース）】
音楽好きな人に訪ねて欲しいのが「ROCKING HORSE」。所狭しと並んだバンドTは圧巻です！オーナーの藤井さんにお話を伺いました。
ーー藤井さん自身は何がきっかけでバンドTが好きになったのでしょうか？
藤井さん：「高校生の時にバンドをしていて、セックス・ピストルズに憧れ、衣装を手掛けたヴィヴィアン・ウエストウッドから古着にも興味を持つようになりました。」
ーーお店に入ると、まず目を引くのは大きなギターですよね！
藤井さん：「店内にはレコードもたくさんあるので、好きなバンドTを選びつつ、アーティストの音楽を流すこともできます。バンドやロックがよく分からない方には、レコードを聴きながらお気に入りのバンドや服を見つけていただけたらと思います。」
ーーお客さんは音楽が好きな人が中心でしょうか？
藤井さん：「お客さんはバンドマンなど楽器を触っている人が多いです。年齢層は16歳くらいから20代が多く、往年のロック好きという人も。女の子も比較的来てくれていて男女比は7：3くらいです。当店を目指して、イギリスから帰国したときに来てくれた人や、古着には興味はないけれどバンドTが欲しくて当店に来てくださる方もいます。」
ーー取り扱っている古着を改めて教えてください。
藤井さん：「バンドTシャツがメインです。革ジャンにデニムジャケットも少し強化していこうかと検討しています。ボン・ジョヴィの90年代当時のもの、オアシスのシリアルナンバー入りのものなど、定番のバンドTは網羅していると思います。オフィシャルから仕入れている80年代のローリングストーンズもあります。価格帯は、控えめ。自由に切り刻んだり、スタッズを入れたりできるような価格でバンドTを売っているのは大須で当店だけではないでしょうか。」
藤井さん：「90年代のヨーロッパ系のピンバッチは300個くらい置いてあります。また、ロック好きな人が気に入ってくれそうな音楽モチーフのデザインを古着でピックすることもあります。」
藤井さん : 「ここにはいろいろなお客さんが来ます。ローリングストーンズは聞いたことないけれど、アンディ・ウォーホルが好きで探しに来た人や、AC/DC（エーシー・ディーシー）が好きすぎて、オーストラリアへの留学を決め、ACDCストリートに着て歩くためのAC/DCの古着を選びに来てくれた女の子まで。」
藤井さん : 「最近は、音楽を聴かずにバンドTが流行っているという理由でに興味を持つ人も多いですが、そこから本当にそのバンドを好きになってくれる人がいたりするのは面白いですね。プロのミュージシャンの方が来てくれたりするのも嬉しいです。」
ーーバンドTをどんな風に着て欲しいですか？
藤井さん：「バンドTも革ジャンもタイトなサイズ感で着て欲しいですね。オーバーサイズでユルッと着るのでなく、当時を思い起こすようなクラシックな着こなしを貫いてほしいです。」
ーー春のオススメアイテムを教えてください！
藤井さん：「デニムジャケットです。ジョン・レノンがラングラーのデニムジャケット着ていたから置いておこうかなと。」
ーー他にやってみたいことはありますか？
藤井さん：「ロックバーをやってみたいと思っています。すでに料理の資格もたくさん取得済みなんです。大須は音楽好きな人が多いので、バーからお客さんを紹介してもらうこともあるし、つながりでバーでスパイスカレーを提供していることもあるんです。」 音楽好きな人なら、楽しい話をたくさん聞くことができる古着屋さんです！
ROCKING HORSE
住所：〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須2-15-42 竹内ビル2F
電話番号：080-4549-1090
営業時間：月・火・水・木・金曜日15:00～21:00 土・日曜日13:00～21:00
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下北沢の古着屋店員から独立！幅広いジャンルが揃う【salvia（サルビア）】
下北沢の古着屋から独立し、2023年10月に大須に高校の同級生二人で店を構えた古着屋「salvia（サルビア）」。オーナーの田上さんからお話を伺いました。
ーー下北沢から大須に来て感じることはありますか？
田上さん：「もともと名古屋に住んでいたことがあり、住みやすかったので大須で古着屋を始めたいと思っていました。下北沢よりも、年齢層は高めに感じます。
人通りは下北沢よりは少ないですが、その分古着が本当に好きな人が来ている印象です。例えば、人気の高いブランドやビンテージだからという理由で古着を選ぶのでなく、面白い古着を探している人が多いように感じます。」
田上さん：「大須の人達はつながり意識が強いなと感じます。他の古着屋さんから当店を紹介してもらったり、古着屋さんが休憩時間に来てくれたり。
独立して店を立ち上げることは初めてで不安もありましたが、大須の皆さんに助けられていると感じます。そんな感じで「このお店だから買う」「この人から買いたい」みたいな、人情味あふれる人も大須は多いのかなと思っています。」
ーー自分の店を初めて持つとのことでお店づくりでこだわったことはありますか？
田上さん：「東京・大阪の古着屋さんを回ってイメージを固めていきました。築80年のレトロな理髪店だったのですが、和のテイストを取り入れつつ古臭くならないようにインダストリアルなものを入れてまとめました。限られた予算だったのでDIYもたくさんしましたね。お店の目の前に噴水があるのですが、外に喫煙所を作って憩いの場を作ってみました。」
ーー自分の店を初めて持つとのことでお店づくりでこだわったことはありますか？
田上さん：「東京・大阪の古着屋さんを回ってイメージを固めていきました。築80年のレトロな理髪店だったのですが、和のテイストを取り入れつつ古臭くならないようにインダストリアルなものを入れてまとめました。
限られた予算だったのでDIYもたくさんしましたね。お店の目の前に噴水があるのですが、外に喫煙所を作って憩いの場を作ってみました。」
ーーお客さんはどのような方が来ますか？
田上さん：「アイテムは1万弱くらいから2～3万円くらいの価格帯が多く、大須の中では真ん中の価格帯だと思うのですが、お客さんは20～30代が多く9割は男性です。」
田上さん：「古着屋を長年やってきていて、いいなと思う瞬間は、大学生くらいのお客さんと初めて買う古着を一緒に選ぶときです。
そういった古着デビューする人に向けて、買いやすい価格とカッコよさを追求できるアイテムを提案していきたいというのと、そういう子が古着を好きになってからもずっと楽しめるような高価格帯まで広げていきたいと思っています。
古着を初めて買うような人も、よりセンスを求めたオシャレを楽しみたい人にも面白がってもらえるように、ジャンルを絞りすぎないようにしているのも当店の特徴です。」
ーー春にオススメのアイテムを教えてください！
田上さん：「特にシャツが好きなので、50～60年代のものを集めています。古いようなシャツからネルシャツまでたくさんあるので、お気軽にお越しください！」
salvia
住所：〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3-26-3
営業時間：13:00 - 21:00
Vintage Cityリンク：https://vintage.city/places/2083
前編は、サブカルチャーの発信地である大須らしい古着屋を紹介しました。
大須エリアはアメカジ古着がメインですが、ひねりのあるディテールが多いことがわかりますね♪
後編は、大須のバラエティーに富んだ大須古着を紹介します。ぜひチェックしてみてください！
エディター：桐生奈奈子
Instagram：@happynanako0111
