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古着はその時代やデザインに込められた背景のストーリーを知るとさらに面白さが増す！
2021年3月恵比寿に誕生した古着屋の枠に収まらない、‘20年型コンセプトショップ【RIENINAL リィエニナル】にて取り扱う、希少価値の高いレアなTシャツ8着とパロディ/ストーリー性のあるTシャツ2着の合計10着をご紹介していただきました。
古着の仕事に20年近く携われている中島さんの解説でデザインの意味を知ると理解が深まります！
希少価値の高いTシャツ
▼ Naughty By Nature / 19 Naughty III world tour 90's Tシャツ
中島さん：Naughty By Natureの2枚目のヒットアルバム「19 Naughty III」をひきさげて行われたワールドツアーのTシャツです。
1993年に発売されたこちらのアルバムにはヒップホップアンセムとも言える定番の「Hip Hop Hooray」が収録されています。
バックプリントのツアー地の記載の構図も今っぽい一枚。
フェード感、掠れ具合も雰囲気◎
Naughty By NatureのTシャツがあまり出回っていないので希少性が高い一枚です。
予備知識【Naughty By Nature】
2MC(トレッチ、ヴィニー)&1DJ(ケイ・ジー)のヒップホップ・ユニット。
89年MCAより事実上のデビュー・アルバムを“The New Style”名義でリリース。その後ユニット名を“Naughty By Nature”に変更。
1991年トミー・ボーイより1stアルバム『Naughty By Nature』で再デビューを果たす。その後93年には2ndアルバム『19 NAUGHTY Ⅲ』をリリース。「O.P.P」、「Hip Hop Hooray」等立て続けにヒットを記録。そのパーティー感溢れるトラックで人気を博し、ヘッズから絶大な支持を得る。
95年に発表された3rdアルバム『Proverty's Paradise』では見事グラミー賞ベスト・ラップ・アルバムを獲得。ヒップホップ界において確固たる地位を築く。
▼ O.J.Simpson / JUICE 90's Tシャツ
中島さん：O.J.シンプソンのマグショットに無罪を呼びかけるメッセージが入る事件当時刷られたTシャツです。
当時ロサンゼルス暴動直後だったアメリカ、人種問題や貧困などアメリカを取り巻く様々な問題が浮き彫りになり、アメリカ史における犯罪学の象徴として、以降様々なところで取り上げられる重要な事件。
現存している数が少ないこと、プリントのデザイン的にも90'sのRAP TEEの感覚にも近く、カニエ・ウェストが同デザインを着用するなど一部マニアで注目された1枚です。
予備知識【O.Jシンプソン事件】
1994年、元人気アメフト選手O・J・シンプソンの元妻と友人が自宅の前で何者かに殺害され、O・Jシンプソンが殺害容疑で逮捕された事件。シンプソンはNFLでMVPにも選ばれる名選手で、引退後は俳優やコメンテータとしても活躍する著名人であったことから、全米のみならず世界中の注目を集めた。刑事裁判では殺人を否定する無罪判決となった。
▼ Dead Kennedys / Halloween 80's Tシャツ
中島さん：アメリカのハードコア・パンクバンド、Dead Kennedysの1982年に発売された7枚目のシングル「Halloween」のジャケットのグラフィックがプリントされたTシャツになります。
2枚目のフルアルバム「PLASTIC SURGERY DISASTERS」にも収録、
80's物、数の少ないデザインなので希少性の高い一枚です。
個人的に音楽と全く関係ないですが、大好きな映画、豊田利晃監督の『ナイン・ソウルズ』の1シーンで板尾創路さんが着ていたのが未だに印象に残っていて思い入れのある一枚です。
予備知識【Dead Kennedys】
1978年に米国サンフランシスコで結成されたパンク／ハードコア・バンド。
ジェロ・ビアフラの個性的なボーカル、政治的でアナーキーな姿勢、風刺やアイロニーに富んだ反体制的な歌詞で人気を博した。
▼ Pet Shop Boys / PERFORMANCE TOUR 90's Tシャツ
中島さん：イギリスのポップデュオ、Pet Shop BoysのツアーTシャツです。
ファッション業界では2018年のKris Van AsscheによりDIOR HOMMEのサマーキャンペーンにPet Shop Boysが起用されて話題になりましたが、今でも通用するフロント、バック共にバランスの良いデザイン、流通も少なく貴重な一枚です。
予備知識【Pet Shop Boys】
80年代のイギリスが生んだ英国を代表する唯一無二の個性派エレクトロ・ポップ・デュオ。現在も精力的に活動中。
▼ Jane's Addiction / XXX RECORDS 90's Tシャツ
中島さん：Jane's Addiction、バンド最初期となるインディーズ時代のXXX RECORDSのプリントが入るTシャツです。
当時の87、88年頃から90年代初頭の物。
こちらのアートワークもP.F.の記載があり、フロントマンのペリー・ファレルのデザインになります。アートセンスの良いバンドで、初期デザインは希少です。
予備知識【Jane's Addiction】
アメリカ合衆国のカリフォルニア州出身、全米セールス700枚を誇る伝説のオルタナ・バンドロックバンド。
R.E.M.、ピクシーズ、レッド・ホット・ チリ・ペッパーズらと共に、オルタナティヴ・ロックの土台を作り上げた。
▼ NME / ACME / Morrissey 90's Tシャツ
中島さん：1985年のイギリスの音楽雑誌"NME"にMorrisseyが表紙に登場した際のTシャツです。
プリントは70年代から活動しているグラフィック、プリント集団のACME製。
Fifth Columnの方がパンクなどのデザインでは有名ですが、こちらも配色がパンク・ニューウェーブの要素が色濃く最高な一枚です。
予備知識【Morrissey】
英国マンチェスター出身のシンガーソングライター、詩人。
1980年代はThe Smiths（1982年 - 1987年）のボーカリスト・詩人（作詞者）として活動する。
一筋縄ではいかない、インスピレーションを想起する、独創性に富み、現代英国のアイコンであり今もなお大きな影響を与えている。
▼ The Smiths / Hatful of Hollow 80's ロングTシャツ
中島さん：The Smiths「Meat Is Murder」の前作となる音楽番組のためのスタジオライブ録音の1984年のコンピレーションアルバム（実質2枚目）の「Hatful of Hollow」のジャケットデザインのTシャツです。
The SmithsのTシャツ自体が市場で高騰していて、さらに80'sHanesボディのロンTという貴重なコレクター必須の一枚です。
予備知識【The Smiths】
1982年、マンチェスターにて結成。インディーズ・レーベルの「ラフ・トレード」に所属し、4枚のスタジオ・アルバムを制作した後1987年9月に解散した。メンバーは労働者階級出身。
実質的な活動期間は5年程度と短く、国外ではさほどヒットしなかったものの、イギリスの若者には熱烈に支持された。
▼ NEW ORDER / SUBSTANCE 80's Tシャツ
中島さん：1987年発表された最初のベストアルバムのタイトルがプリントされたTシャツです。
アートワークはJoy Divisionから続く旧知の仲のグラフィックアーティストのPeter Saville。
様々なブランドのデザインソースになるほど、フォントも今っぽくて色褪せないデザイン性の高さ、オリジナルは希少性も高い一枚です。
予備知識【NEW ORDER】
イギリス・マンチェスターで結成、テクノとロックを融合、今でも多大な影響力を持っているバンド。前身はポストパンクの代名詞、Joy Division。
パロディ、ストリート性のあるTシャツ
▼ DE LA PAZ COFFEE / Sonic Youth オマージュ/パロディ 00's Tシャツ
中島さん：こちらはサンフランシスコ発のコーヒーショップ『DE LA PAZ COFFEE』がSonic Youthの有名なアルバム『GOO』のジャケットをオマージュしたプリントになっています。
有名ジャケットとコーヒーショップというユニークな組み合わせです。
予備知識【Sonic Youth】
1980年代以降におけるアメリカのインディーシーンにおいて、ノイズパンクの雄として君臨。後のグランジ、オルタナティヴ・ロックムーヴメントへ大きな影響を与え、自身らも満を持してメジャーへと移行。以後、メジャーとインディーを行き来しつつ、活動を続けていたが、2011年に活動停止した。
▼ Guy Fawkes Mask / V For Vendetta 00's Tシャツ
中島さん：ガイ・フォークスマスクがプリントされたTシャツです。
この微笑と紅い頬を誇張し両端が跳ね上がった口髭と細く垂直に尖ったあごひげを生やしたガイ・フォークスの顔を様式化した画面は、20世紀末にデヴィッド・ロイドというイラストレーターが、1982年に漫画『Vフォー・ヴェンデッタ』にてVの外見を現代版ガイ・フォークスとして発案、デザイン。
その後2005年の映画化でプロットの重要アイテムとして、そのデザインはより世間に広まります。
その後も社会的な抗議運動の象徴として世界中でこのマスクが使われていたり、知っていくとストーリー性のある1着。
予備知識【ガイ・フォークス】
1605年の11月5日に当時のイングランド国王のジェームズ1世の暗殺を企てた罪人として極刑に処せられた人物。
イギリスをはじめ英連邦諸国では11月5日はガイフォークスナイト（ガイフォークスデイ（火薬陰謀事件の日）、焚き火の夜、花火の夜としても知られる）記念日。
ガイ・フォークスが議事堂の地下で爆薬をしかけて待機しているところを逮捕されジェームズ1世が生き延びた事を祝って、人々はロンドンで焚き火をともしたのが起源。翌年、この企ての失敗に対する感謝して毎年、記念日とする法律施行された。毎年この日には、「ガイ (guy) 」と呼ばれるフォークスを表す人形を市中に曳き回したのちに篝火で焼く行事が各地で行われた。1650年代以降は花火も打ち上げられるようになり、現在では、11月上旬にイギリス各地でもっぱら打ち上げ花火を楽しむ祭りとなっている。
豊富な知識で1着1着の価値が高い理由を優しく教えてくださった中島さん。
皆さんもRIENINALを訪れて気になる服があったら、どんどん尋ねてみてくださいね♪
RIENINAL中島さんのインタビュー記事はこちら
【RIENINAL】古着屋の枠に収まらない ‘20年型コンセプトショップが恵比寿に誕生
RIENINAL リィエニナル
カジュアル、デザイナー、モード、グランジ、ストリート、スポーツ、アウトドア、コラボレーション
“wen old wisdom new & contrast”
エディター：上月マキ
Twitter：twitter.com/__maki_k
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フォトグラファー：Kenya Shiina
写真はもちろん、クリエイティブ映像作家としても活動。MVや企業PVをメインに多彩なジャンルの映像を制作している。
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