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代官山「古着と一杯のコーヒーが生みだすシナジー、エコとサステナブルとスタートアップのための情報発信基地」【RAILSIDE COFFEE & VINTAGE】

1 year ago2,213 views

JR渋谷駅から徒歩圏内の線路沿いに店舗を構える「RAILSIDE COFFEE&VINTAGE」。

2022年の7月1日にオープンしたばかりの店内には、こだわりの店舗が隣り合い、厳選したアイテムで協演する、いわば古着屋の集合体です。

ひっきりなしに行き交う電車の風情ある音が鳴り響くなか、代表の久保さんに、お店のコンセプトや魅力などについてお聞きしました。

古着でつながる空間、一杯のコーヒーが紡ぐ時間

——「13区画のポップアップスペース」と銘打たれていますが、いわゆる古着店やヴィンテージショップが集まるレンタルスペースとの位置付けですか?

久保さん:たとえば、オンラインで活動されている古着屋さんや、本業のかたわら副業でお店をやっていらっしゃる方々が、イニシャルコストをかけることなく気軽に出店できるような場所を目指しています。

現在は13区画をベースにしていますが、いずれは期間限定のポップアップショップなど、狭めのスペースを用意して、たくさんのお店を見ていただけるような展開も想定しています。

——カフェを併設した意図について教えてください。

久保さん:ここに集う人が対等な関係で空間や時間を分かち合えるような場にしたいという思いがあって。カフェを置くことで、古着を売る側/買う側という関係だけでなく、よりフラットな関係が生まれるのではないかと考えました。コーヒーを介して、さまざまな職業の方、いろいろなスタイルを志向する方、そして多様な思いを持つ方が同じ時間軸を過ごせる、そんな空間づくりを目指しています。

——こちらで出店できるのは古着屋さんだけですか?

久保さん:当店では、「エコとサステナブルとスタートアップ」をコンセプトにしていて、それに共感していただける方であれば、どなたでも歓迎します。たとえば、古着だけでなく、廃材を再利用してアクセサリーを作っている方や、着れなくなったものをリメイクされている方、さらには流木などを組み上げて家具づくりされている方など、幅広い作品を扱っていきたいと思っているところです。

とくに古着屋さんの中には、「新しく作らない」「まだ使えるものを捨てない」など、エコ意識や循環思考を持たれている方は多いと思います。ベースにあるマインドを共有できる方と共に成長していけたらいいですね。

また、スタートアップという点では、これから新しくお店を始めたいと考えている方のお力になりたいという思いがあります。複数の古着屋さんに空間をシェアしていただいている理由のひとつが、知識やノウハウを共有してもらいたいと考えていること。

たとえば、古着屋さんには買い付けが欠かせませんが、海外で単独で行おうとすると、かなりのコストがかかってしまいます。これをもし、当店で出店している方同士で一緒に買い付けをすることができれば、コンテナを利用するなどして、買い付けにともなう経済的な負担を大幅に軽減することが可能です。

また、新しいお店が集客するのはなかなかハードルが高いもの。空間を共有する古着屋さんのコミュニティがあれば、ひとつの古着屋さんのお客様が別のお店のお客様にもなります。つまり集客の相乗効果が期待でき、スタートダッシュを決めることにつながるのではないかと思っています。

——お店の形態について、発想の原点はどんなところにあったのでしょうか?

久保さま:もともと、カフェを併設したサーフショップなど、東京や大阪を中心に30店舗ほど飲食店を運営する会社に所属していて、フードロスなど、“食”の面からエコに取り組んでいました。それを受け継ぐかたちで、“衣”の面からもエコ、サステナブルな社会に貢献したいという思いから古着に着眼したことが、発想の起点です。

ただ、多くの人に来ていただきたいというビジョンはありましたが、古着屋としてのノウハウがあったわけではありません。そこで、既に古着の領域で活躍されてる方々に場所を提供することを思いついて、こういう運営スタイルを作り上げていきました。

僕自身、以前からゴミ拾いなどのボランティア活動に参加していて。エコ、サステナブルというと、ちょっとハードルが高いのですが、このお店についても、身近なところから始めようという思いで取り組んでいます。

コンセプトを体現するインテリア。人の交流を促す環境づくりを

——インテリアのポイント、直営されている区画で取り扱っているアイテムについて、とくにこだわっている点はありますか。

久保さん:手作り感というか、“ものを大事にする精神”が伝わるようなインテリアを心がけています。実際、店内の家具などは、いらなくなったものを解体したり組み合わせたり。自分たちでDIYしているものがほとんど。新品を買うことはあまりないですね。

食器にもこだわって、コーヒーを提供する際には紙のふたを使用しています。あまり出回っていないので原価は高めなのですが、お店のコンセプトを体現しているものといえるかもしれません。

インテリアのスタイルとしては、それぞれの古着屋さんのカラーももちろんあるのですが、西海岸風といえるかもしれません。

アイテムについては、出店されている店舗の方々が主役。いい意味で個性がぶつかり合っていると感じます。自分たちとしては、あまりとがりすぎないことを心がけていますが、ゆくゆくは、個人的な思い入れが強い、ディスコを中心に70年代に絞ったアイテムを取り扱っていければと思っています。

——どんなお客様が多いですか?また、接客のスタイルについても教えてください。

久保さん:まだオープンして間もないので、興味本位で入ってきてくださる若い方が多いですね。近隣にデザイン学校などもあるので、人と同じスタイルを嫌うというか、属性としては、おしゃれな方、こだわりのある感じの方が多い印象があります。

接客については、基本的にはわれわれがすべて行なっています。自分たちでアイテムを選んでいるわけではないので、細部にいたるまでくわしく説明できるわけではないのですが、各店舗のテイストや、オーナーさんについてできる範囲で協力させていただいています。

また、実際にお客様と面と向かって販売したいと、お店に来てくださるオーナーさんもいらっしゃって。店舗さん同士のコミュニケーションも生まれていて、オーナーさんがお客様に対して、別の店舗のアイテムについて説明してくださることもあります。

エコ&サステナブルにまつわる情報発信の起点に

——久保さんにとって古着、ヴィンテージとは?

久保さん:“かっこいいもの”ですかね。海外のロックに熱を上げていた中学時代に、初めて“ヴィンテージ”という言葉を耳にしました。海外のギタリストたちがこぞってヴィンテージのギターを使っていて、意味も知らずに、なんだかとてもクールなものだと思い込んでいて。大人になったいま改めて考えてみても、そうやって人から人へと受け継がれ、大切にされていくものがあるということは、本当にかっこいいことだと思います。

——音楽や古着、そしてエコ、サステナブルに対する久保さんの思いが随所に感じます。最後に、記事を読んでくださる方にメッセージをいただけますか?

久保さん:新しい形態のお店なので、言葉で説明してもなかなかピンとこないと思っています。ですので、まずは一度あそびにきていただいて、お店のことを知っていただけたらと。

また、お店のこと、出店されている店舗のことを知っていただくためにも、積極的に発信していきたいと思っています。今後はいろいろなイベントを開催予定で、アコースティックライブなど店内で実施するものだけでなく、クリーンアップイベントなど、地域に根付いた活動も積極的にやっていこうと思っています。インスタも含め、最新情報をチェックしていただけるとうれしいです。


RAILSIDE COFFEE&VINTAGE

住所:〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町1-3

営業時間:12:00〜20:00

定休日:不定

Instagram:https://www.instagram.com/railside_coffeevintage/


エディター:Yoshihiro

ヴィンテージフリークのフリーライター。ファッションEC批評を中心にウェブメディアの幅広い領域で活動中。趣味はひとりで古着屋巡りをすること。好きな食べ物は、うに。

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