【KAU vintage】手作りの温かみが溢れる古着店。- 古着屋オーナーの”First” Vintage vol. 1 -
東京郊外の東青梅駅から川沿いの道を歩き、民家の並びにお店を構えているのが「KAU vintage(カウ ヴィンテージ)」。店内のほとんどが手作りで、こだわりのヴィンテージアイテムがところ狭しと並んでいます。去年古着屋をオープンさせたオーナーの黒田さんにお話を伺いました!
黒田さんの"First" Vintageを教えてください!
最初に購入した古着は【フラミンゴのリメイクデニムショートパンツ】
ー 初めて購入したお店やエピソードを教えてください!
黒田さん : 「中学三年生のときに表参道のフラミンゴでリメイクされた デニムのショートパンツを購入しました。3,000~4,000円くらいだと思うのですが、当時はそれが大冒険でした。都会の古着屋は初めてで、スタッフさんに声をかけることもできず、試着もせず購入したのを覚えています。8年くらい前ですが、いまだに好きなデニムの色やシルエットなんですよね。」
ー 古着を好きになったきっかけは?
黒田さん : 「幼い頃から、母の影響で頻繁に古着のリサイクルショップに行ってました。自然と古着を着る機会が多く、学校で友達に褒められたのが嬉しかったのを覚えています。母から譲り受けたバッグやアクセサリーもありますね。」
ー 古着が身近な存在だったのですね。今は、普段どんなファッションをされていますか?
黒田さん : 「KAU vintageは、幅広いジャンルの古着を扱っていますが、私自身もお店に置いてある古着と同じく、いろいろなテイストの古着を楽しんでいます。Pinterestで海外の古着屋を参考にしながらファッションのイメージを膨らませています。」
ラックからフィッティングルームのカーテンまで手作り!
ー 青梅は地元だったのですか?
黒田さん : 「そうです。土地勘のある地元で物件を探していました。実は店舗より先に、2021年3月にオンライン販売をスタートしていまして。その4ヶ月後に店舗をオープンさせました。」
店名「KAU vintage」は、花が雨のように散ることを漢字で「花雨(かう)」と読むことが由来なのだそう。なんて風流なネーミング!
ー 現在、店舗営業は週2日ですが、こだわりはありますか?
黒田さん : 「お店は、温かみのある内装にしたかったので、全て手作りにこだわりました。」
まず、目につくのは、フィッティングルームのカーテン。古いスカーフと古着をコラージュして、黒田さんが一から縫い合わせた力作です!このほか、壁のペンキや床、照明やエアコンの取り付けまで、すべて黒田さんが行いました。
ラックは川から流木を拾ってきて組み合わせたものです。
お店の外には、流木がたくさん!無骨な流木は、手を加えることでお店の什器になるのですね。
ー お店をはじめるにあたって、特に大変だったことは何ですか?
黒田さん : 「最初は、電車移動でスタイリストバッグに古着を詰め込みながら買付していたのが大変でした。重量的な部分もそうですが、欲しいアイテムを少数精鋭でしか仕入れられない点も苦労しましたね。今は、関東圏内の車で行ける範囲を中心に買付しています。気に入っていただけるだろうなと、お客様のお顔を想像しながら買い付けていますよ。」
大変なことも楽しんでいるようにも見える、キラキラしたまなざしが特に印象的でした。
アクセサリーは、ヴィンテージパーツを分解してオリジナルで作ったものも販売しています。手作りへの思い入れが、随所にあふれていますね!
コーディネートが思い浮かぶ店づくりを
ー 他に店内で工夫した点はありますか?
黒田さん : 「店舗が狭いので、カテゴリーや色別に展示するのでなく、コーディネートのイメージが膨らむように置いています。」
トップスからボトムス、アウターなどテイストの似たアイテムが同じラックに配置されています。
また、お客様の要望で今年の秋からメンズアイテムを本格的に仕入れ始めた点も注目です。お客様の要望を積極的に聞きながらお客様と一緒にお店を作っているような感じが伝わります。
ー 接客する時のこだわりはありますか?
黒田さん : 「接客時は、圧迫感を与えない様に、適度な距離感を保つことを心がけています。」
来店客は、10~20代が中心。中には、80代のマダムや家族連れも来店されるそうです。オンラインのアイテムを見るために、遠方から訪ねてくるお客様もいれば、通りすがりに立ち寄ってくれる方もいます。
黒田さん : 「居心地が良くて、ふらっと遊びに来れる場所になれたら嬉しいです。」
KAU vintageが古着初心者におすすめしたいアイテム
ー 黒田さんが注目しているものや、古着初心者が取り入れやすいおすすめアイテムを教えてください。
黒田さん : 「個人的には、ミニ丈のボトムが気になってますね。ミニ丈に限らず、KAU vintageは、落ち着いたトーンの古着が多いので、比較的初心者で取り入れやすいと思います。」
黒田さん : 「パフスリーブとセーラーカラー、そして無地の中に柄が入ったものは、一点モノならではの風合いが出るし、他では見つけにくいのでおすすめです。」
黒田さん : 「男性にはベストはいかがでしょうか。カジュアル過ぎないデザインに、落ち着いたトーンなので着やすいと思います。」
黒田さん : 「それから、価格にもこだわっています。初めて購入するのは勇気がいるし不安があるのは、私もわかります。だからこそ、価格も控えめにして、古着へのハードルを下げたいと思ってます。」
自分が初めて購入したときの感覚が鮮明だからこそ、古着に馴染みのない人への寄り添ったアドバイスができそうですね。
ー 実際に、KAU vintageさんで初めて古着を購入されたという方はいますか?
黒田さん : 「いますよ!たまたま店の看板を見かけて来店された大学生の女性のお客様がいました。古着に興味があるけれど、着たことがないとおっしゃっていて。一番最初に手に取ったシルクの長袖シャツをお買い上げされましたね。」
ー どんな風に接客しましたか?
黒田さん : 「初めての古着で購入を悩まれていたので、一度家にあるワードローブを確認してからもう一度来店されて購入しました。そのお客様はそれから、いろいろな古着に挑戦されて今では、古着が好きになったとおっしゃってますね。」
最初の古着屋で、店員さんに声をかけられずにいた黒田さんは、古着屋のオーナーとなり、誰かのファーストビンテージを見届ける人となりました。
ー 最後にメッセージをどうぞ!
黒田さん : 「古着との出会いは一期一会だと思うので、古着を購入するまでの過程から楽しんでもらえたら嬉しいです。購入してからの生活が、より豊かになってくれたらいいなと思っています。」
皆さんもKAU vintage clothes へ足を運んでみてはいかがでしょうか♪
KAU vintage clothes
東京都青梅市勝沼2-224-2
営業時間:12:00〜18:00
営業日 : 不定休
エディター:桐生奈奈子
Instagram:@happynanako0111
フォトグラファー:Kenya Shiina