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【多摩市・古着屋SAJI(サジ)】見て楽しい、着て心地良い!お匙で混ぜて作ったおいしい服の遊び場 - 古着屋オーナーの"First" Vintage vol.63

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≪今回取材をしたのはこんなお店≫

多摩市の落合商店街にひっそりと、そして堂々と佇む「SAJI(サジ)」がオープンしたのは、2023年2月のこと。高い天井に打ちっぱなしの壁、廃材を駆使したおしゃれな空間に、ジャンルにこだわらず集められた魅力的なアイテムが、まるで芸術品のように悠々と並べられています。

――初めて自分で古着を購入したのはいつですか。

中学のときの友人に、ランドセルをファッションアイテムとして使うほど個性的でおしゃれな人がいたんですね。それで、よく古着屋などに連れて行ってもらっていたんです。そんなときにたまたま出会った「的屋(てきや)*」の店主に勧められるがままに1,000円で買ったジーンズが初めて購入した古着です。

自分で購入した初めての古着‥‥【ジーンズ】

――とても素敵なジーンズですね!大和さんにお似合いです。

家に持って帰って履いてみたら意外とぴったりだったので、「あのおじさん、やるな…」って思いましたよね。それからホツレなどのダメージが出るたびに自分でステッチを入れたりして直しながら、もう30年以上愛用しています。

―― 古着屋さんを始めたいと思ったきっかけを教えてください。

私はもともと自分のお店をもちたくて、最初は美容師になったのですが、手荒れがひどくてどうしても合わなくて、美容師の道を断念しました。

もともとファッションが好きだったので、古着屋でのアルバイトを経て、今と同じく多摩市内に「Mametra」という古着屋を構えたんです。お客さま同士が仲良くなるようなアットホームな雰囲気のあるお店でした。

――そのあと、こちらの「SAJI」に移転したのですか。

いえ。「Mametra」を21年間続けたあと、ご縁があってリサイクルショップが併設された福祉関係の施設で1年間働いたんです。その経験から、改めて古着屋に携わりたいと思って「SAJI」をオープンしました。

はじめはオンラインで販売していましたが、やっぱりお客さまのお顔を見ながらやりたいと思って実店舗を構えたんです。例えば、以前にお店に来てくれてた高校生の子が、今度は子供を連れてきてくれた…とか、そういう嬉しさって対面でないとなかなか味わえないんですよね。

個性が自ずと混じり合う特別な場所「SAJI」

――店名の「SAJI(サジ)」とはどういう意味でしょうか。

「匙」の意味で、ここをベースにいろいろな方が混じり合える軸のようなものになれたら良いな。という思いを込めて付けました。

バラエティに富んだ人同士が“混じり合う”、お互いに尊重し合ってごく自然に存在できるような空間になればいいなというような意味合いを込めています。

――お店の内装にも特別感がありますが、何かこだわりがあるのでしょうか。

「Mametra」のときのお客さまで建築事務所をやっている方がいて、協力してくださったんです。限られた予算内で多摩市の廃材を利用したり、もともとの天井の高さを活かしたりして作り上げてくださいました。

ネクタイのディスプレイは建築系の学生さんたちが装飾してくれたものです。

あと、壁にハンガー掛けとして設置しているのは、もともと椅子の脚として使われていた木材なんですよ。「多摩市のお洋服を循環させていきたい」という「SAJI」のコンセプトにも寄せていただいて、あちこちに創意工夫を盛り込んでくださっています。

――どんなお客さまが多いですか。

地元の方もいらっしゃいますけど、大学生などの若い世代の方もインスタグラムをみてきてくださっています。駐車場もあるので車でお越しいただいても大丈夫です。

お洋服はゆっくり時間をかけて見ていただきたいので、試着などのご案内はしますが、基本的には声かけしていません。ご来店頂きお洋服を見ていただくだけでも構いません(笑)。

“好きなもの”フィルターで揃えられた愛すべきお洋服たち

――どんな商品を扱っているんですか。

ジャンルはカジュアルからモード、レトロまでいろいろです。スタッフの意見も取り入れながら、柔軟に変えていくので、ジャンルやブランドは絞っていません。強いていうなら、私やスタッフの“好きなもの”でしょうか。仕入れも、買取や委託販売、セレクトと、幅広いです。

あとは、お洋服と一緒に小物もあると楽しいかなと思って、福祉施設で作られた商品も積極的に取り扱っています。箸置きやペンケース、お地蔵さんも人気ですよ。

――「シカケフク」というサービスについて教えてください。

ボタン付け替えや裾上げなどから大幅なリメイクまで、衣服に対してなんらかの「仕掛け」をするサービス全般を指しています。舞台衣装制作を仕事にしている方が、SAJIに工房を構えて仕掛け服のサービスを行っています。

例えば、ひとりでお洋服の着脱が難しいといった悩みごとがあれば、衣装の「早着替え」の応用で、マグネットを使ってパタパタッと脱ぎ着ができるようにリメイクするといったようなことを請け負っています。

――「SHINPIN」×SAJIとはどんな取り組みでしょうか。

「SHINPIN」というリメイクブランドに、SAJIで仕入れた古着を素材として提供し作品を制作いただいています。とても人気で、すぐに売れてしまうものが多いです。まさにこの世でひとつの作品ばかりで素敵ですよ。

――商品の管理にはどういった気配りをされていますか。

仕入れ時に状態の良いものを選りすぐってはいますが、洗濯やアイロン、毛玉の除去などはしっかりやったうえで、ちょっとした修繕もやります。あと、お洋服をギチギチに置くと、見づらいし傷みのもとにもなりますので、余裕をもたせてレイアウトしていますね。

古着を通して自分らしさを見つけるということ

――「SAJI」ではいろいろなイベントも実施しておられますよね。

はい。商店街という立地のため近隣の人以外に知られにくいと思っております。

近隣以外の方にも知って頂きたいという思いから、最近だと「ワンコインのフリーマーケット」をやりました。お洋服の交換会のような性質ももっているイベントです。

あとは、埼玉の「yokfuuku」さんとご一緒させていただき「思い出の服展」というイベントも実施しました。例えば「おばあちゃんにもらった」服だとか、服にまつわる思い出を商品タグにつけて、その思い出をお洋服の価値として添えて紹介していました。

――春の着こなしに使えるおすすめのアイテムを教えてください。

レディースはシースルーとかレース素材の古着を組み合わせたコーデを提案できればなと思います。あとは、ビジューがふんだんに使われていたり、パールがあしらわれていたり、華やかさのある個性的なものをデニムと合わせるのもおすすめです。

――古着を着こなすことの楽しさはどこにあると思われますか。

服を選ぶことや着ることって、自分らしさを見つけることや表現することですよね。

もちろん試着していただくのもいいのですが、ただ見るだけでもいいと思うんです。

自分がどんなものに興味がひかれるのか、何を素敵だと感じるのか、いろんな偏見とか思い込みからいったん解放されて、本来の自分の感性を自由に解き放てる…「SAJI」がそういう空間として機能すればいいなと思っています。

都会のせわしなさとは一線を画す、まるで異次元のような「SAJI」。ぜひ、気軽にお店を訪れて、変わったデザインのお洋服や小物を堪能されてみてはいかがでしょうか。


古着屋 SAJI

住所:東京都多摩市落合4−8−1 101

定休日:月・木

営業時間:火・水・金・土→12:00-20:00 / 日→10:00-18:00

※水曜日は買取業務はお休みしています※

Vintage.Cityアカウント:https://vintage.city/users/779599

公式ホームページ:https://sajiused.theshop.jp/

インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/saji_used/


エディター:鈴木一禾

フリーライター/エディター。企業オウンドメディア向けコンテンツ作成や編集業務に従事。趣味はピアノとマクラメ編み。

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