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【会津若松市・VACFF】かけがえのない出会いを求めて足を運んでもらえるような店に - 古着屋オーナーの"First" Vintage vol.49 」

6ヶ月前閲覧 387

≪今回取材をしたのはこんなお店≫ 

歴史ある建物が建ち並び、大正ロマンを感じられる会津若松を代表する観光地 七日町通りに位置する「VACFF(バクフ)」。古い長屋の一角を利用した店内には、古着を中心に古道具や、作家によるクラフト品、ドライフラワーなど、個性的なアイテムが揃います。オープンの背景やアイテムへのこだわりについて、オーナーの小島さんにお聞きしました!

1. 小島さんの"First" Vintageを教えてください!

最初に購入した古着は‥‥ 【カーハートのデトロイトジャケット】

——初めて購入したアイテムについて教えてください。

前職への入社直前、その会社が運営する古着屋をあいさつがてら訪れたときに買ったカーハートのデトロイトジャケットが最初です。

当時はまだカーハートの人気が高騰する前のこと。ダック生地のアイテムが50着ほどずらりと並ぶ中から、いい具合にフェードしたブラックに一目惚れして手に取りました。

子どものころから体力系の仕事に憧れがあって、ワークウェアならではの男臭さみたいなものに惹かれたのを覚えています。値段もその頃はお手頃でしたしね。

古着はもちろん、それまでほとんど洋服に興味がなくて、洋服屋自体もあまり好きではなかったんですが、そこはいわゆる倉庫風のお店。それまでに経験したことのなかった開放感のある雰囲気も魅力的でした。

2. 大学院を卒業後、古着屋で修行。縁が重なってたどりついた古民家

——お店を立ち上げるまでのいきさつを教えてください。

今から5、6年前、大学院に在学中、就職活動を兼ねてその後に入社することになる会社が参加するフリマを見に行く機会がありました。そこで手伝いをするうちに、「うちで働かないか」と声をかけてもらって。誘われるまま就職し、古着店で働き始めました。

そもそも古着を好きになったのは、その会社との縁がきっかけです。古着屋のオーナーの中では、古着歴はかなり短いほうだと思います。

2020年ごろに自分のお店をやりたいと思って会津若松へ。働いていた古着屋を通じてこのあたりで骨董品屋をしている方と知り合って遊びにきたとき、地元の松本市と街並みの雰囲気が似ていて親近感がわいたことが理由でした。

また当時、会津若松には欧米の古着を扱う古着屋が1軒もなかったんです。どうせなら新しい土地で挑戦してみたいという気持ちもあり、2021年の12月3日にオープンしました。

創業150年を超える老舗の味噌屋さんの長屋の一角をお借りしていますが、いわゆる古民家を選んだのは、たまたま広さや家賃など条件に合致したからです。新しい建物でもよかったんですが、今となってはとても良い出会いだったと思っています。

——店名の由来について教えてください。

古着だけでなく古道具にも興味があり、千葉の古着屋時代から親交があるハンドメイド作家の方たちと一緒にお店づくりができたらと思っていたんです。そこで、扱いたいと考えていた商品カテゴリーの頭文字、ヴィンテージの「V」、アンティーク&古道具の「A」、クラフトの「C」、ドライフラワーの「F」、そしてフードの「F」をとって店名にしました。

会津といえば、維新軍と戦った旧江戸幕府軍とゆかりがある街。それもあってちょうどいいかなと思っています。

3. 主役はあくまでアイテムたち。女性も入りやすいお店に

——インテリアで気をつけていることはありますか?

古民家の風合いを活かそうとはあまり考えていなくて、自分が「おもしろい」「いいな」と思ったものを店内になじませることを大切にしています。少し違和感があってもいいと思っているくらいです。

気をつけているのは、気軽に入りやすい雰囲気づくり。レディースないしはユニセックスで着られるものをトルソーにかけて店頭に置いたり、雑貨やアクセサリー、ドライフラワーなどを見えやすいところに置いたり。男性ひとりで店を回しているので、入りづらい印象を与えないよう心がけています。

——お客様の年齢層は?

30代以上の方が多いですね。20代までの子たちはあまり見かけません。オープン当初は女性がほとんどでしたが、最近は男女の割合は同じくらいです。

平日は会津若松市内のお客様が仕事帰りに寄ってくれたりします。休日は市外のお客様がほとんどですが、観光客の方で古着を買っていかれる方はごくわずか。県内だと郡山や二本松あたりから。県外では新潟、山形、栃木などにお住まいで、古着屋が多い郡山や福島へ行った帰りに寄ってくださる方がほとんどです。月に2、3回は必ず来てくださる方もいらっしゃいます。

4. アメリカのワークウェアを中心にユーロヴィンテージも充実した品揃え

——どういったアイテムを取り扱っていますか?

幅広く揃えていますが、個人的に好きなカーハートやLeeのカバーオールデニムなど、アメリカのワーク系アイテムが多いと思います。あとはヨーロッパ系のルートがあるので、ユーロヴィンテージに強いのもうちの特徴。近隣に東西ヨーロッパのものを手広く扱っているお店がないことから、一部の方からは「ユーロものが充実している店」として評価いただいています。

——どのくらいの頻度で商品の仕入れをしていますか?こだわりとあわせて教えてください。

ひと月あたり少ないときで150点ほど、多いときは300点ほど買い付けます。すべてハンドピック。必ず自分が1点ずつ見て触って買うかどうかを決めています。

仕入れは車で出かけますが、片道に7時間かかることも。一番近い場所でも4時間ほどかかります。

買い付けの際は、「おもしろい」「好きだ」と思ったものを買うようにしています。状態やサイズはほとんど気にしません。状態が悪いものは直したり加工すればいいし、自分に合うサイズかどうかを決めるのはお客様だと思っているからです。

レディースも意識して入れるようにしています。男の感覚なのでいつも不安ですが、「こんなのを着ている人がいたら素敵だな」という視点で選んでいます。

5. 古着には正解も不正解もない。自分の感覚を信じて向き合ってみて

——古着初心者の方に、古着の楽しみ方のアドバイスをいただけますか?

古着であることをあまり意識しないことですかね。古着に慣れてないと、古着に対する偏見があったり、着こなすのにルールがあると思ったりするものですが、そんな固定観念はいりません。ダメージや色褪せも、デザインや柄だと思って向き合えば、きっと自分にぴったりのものが見つかるはずです。

正解も不正解もありません。着ているものがその人の社会的な属性を表す時代は終わりました。大事なのは、その洋服を「かっこい」「かわいい」と思うかどうかの一点。「選んでみたら、たまたまそれが古着だった」くらいの感覚でいいと思います。

流行に左右されて買ったものは数年後に着られなくなくことがほとんど。でも、自分が気に入って買ったものであれば、5〜10年経っても着られますからね。トレンドを否定するつもりはまったくありませんが、自分が本当に好きなものを選んでほしいです。

これからの季節ならセーターがおすすめ。アランニットもいいですが、今年は僕が好きなノルディック柄など総柄のニットが揃っています。

季節を問わず着られるワークシャツ&ジャケットも、他ではなかなか出会えないものが入っていますよ。

——今後、どんなお店にしていきたいですか?

インターネットで情報が簡単に入手できる時代になり、特定の商品を目当てにお店に行くことが増えてきましたが、「昨日入荷したらしいから行ってみるか」「何があるかわからないけれど、とにかく行ってみよう」と、そこに行くからこそ見つかる出会いを求めて来てもらえるようなお店にしていけたらいいですね。

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VACFF

福島県会津若松市大町1丁目1−22

営業時間:11:00-19:00

定休日:不定休

Instagram:https://instagram.com/vacff.shop

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エディター:Yoshihiro

ヴィンテージフリークのフリーライター。ファッションEC批評を中心にウェブメディアの幅広い領域で活動中。趣味はひとりで古着屋巡りをすること。好きな食べ物は、うに。

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