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【大阪府和泉市・実家×yuyujiteki】個性を掛け合わせて生み出すシナジー。共創でめざす古着屋の新しいカタチ-古着屋オーナーの"First Vintage 番外編-

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≪今回取材をしたのはこんなお店≫

天王寺と和歌山を結ぶ阪和線の北信太駅からほど近い、葛の葉伝説で知られる「信太森葛葉稲荷神社」のそばに立つ築140年以上の古民家。その一角を利用して店舗を構えるのが、「実家」と「yuyujiteki」です。

得意とする分野も価値観も違うふたつの古着屋が同じ屋根の下に“共存”する理由とは?その成り立ちやコンセプト、古着への想いについて、「実家」を営む田中一清さんと「yuyujiteki」のオーナーを務める野村悠さんにそれぞれお聞きしました!

1:古着がつないだ縁。「実家」と「yuyujiteki」が出会うまで

——お店を立ち上げるまでのいきさつは?

田中:高校生のころまで住んでいた築140年の古民家が空き家になっていたので、有効活用しようと友人たちとDIYで改修していのが発端です。古着屋をやろうと思ったきっかけは、大学の起業家育成プログラムに参加したことでした。

そこでビジネススキルを磨く過程で、もともと好きだった古着を事業化することを思い立ち、ちょうど改修のめどが立っていたその古民家を使うことにしたんです。

2023年の初夏にECを立ち上げ、夏にイベントを実施。その後、いまの場所に「実家」をオープンしました。

野村:大学院を出た後、メーカーで研究開発をしていました。休職中に始めたのが古着販売。これが軌道に乗り始めたので会社を辞職して本格的に古着事業を始めました。

一清くんとは、大学時代の親友だった彼のお兄さんを通じて知り合いました。学校が忙しくて週に2日ほどしか店を開けられず、仕入れもままならなくて困っている弟の様子を見かねた彼のお兄さんが、僕が古着屋を始めたことを知って、共同運営することを提案してくれたんです。

繁華街や古着屋が集まる場所より、落ち着いた環境で一人ひとりと向き合いながら店舗運営したいという僕の理想とマッチし、2024年1月にジョインしました。

2:ユーロとアメカジが生み出す、ここにしかない相乗効果

——お店やインテリアについて教えてください。

田中:もともと古い米農家でした。敷地面積は300坪ありますが、商用利用しているのは米蔵のみで20坪ほどです。

「実家」と銘打つからには、お客様が長居したくなるような、居心地の良い場所にしたいと考えていました。なので、ラックやワイヤーラックといった古着屋に欠かせない什器以外は、日本箪笥や古い地球儀など家の中から出てきたものを組み合わせて構成しています。

空間全体を自己表現するためのツールだと捉えているので、たくさんの人やモノとの出会いを通じて感じてきた「好き」をアウトプットする、自分全開な店づりをしています。

——とくにこだわったところは?

田中:個人的に好きなのは、デジタル時計のあたり。以前に知り合った切り絵クリエイターさんの作品を意識して、奥から出てきた『TIME』誌などの古雑誌をコラージュしています。

また、地球儀の下にターンテーブルを置いて回転する仕掛けをほどこすなど、随所に遊び心を散りばめています。

——ふたつの店舗をどう住み分けていますか?

野村:当初は、こちらが「実家」、あちらが「yuyujiteki」と明確に線引きすることも検討したんですが、どこからどこまでがどの店で、どれがどのお店の商品かなんて、お客様にはどうでもいいこと。分けないことが新しい出会いを生むことにつながると考え、あえてごちゃまぜに置いています。

田中:「実家」はユーロが中心で、「yuyujiteki」はアメカジがメイン。南大阪にはユーロに興味がある人もいれば、アメカジファンもいます。僕が選んだアイテムには興味がなくても、悠さんのカーゴパンツやリバースウィーブがめっちゃ刺さってたり。

逆に、アメカジには手が出ない人が、僕が選んだデザインを直感で気に入ってくれることもあって。それそれ手が届かないところを補完しあうことで、結果的に多くのお客様の満足につながっている気がします。

野村:どちらかというと自分が扱っているアイテムのほうがキャッチーだし、宣伝もしやすい。実際、「インスタ見てリバース探しにきましたとか」と言ってくださるお客様が少なくありません。

でも、最終的には「実家」のアイテムだけを買っていかれるパターンがとても多いんです。そういうところがおもしろいと思っています。

アメカジだけで他店と差異化するのは難しいけれど、「実家」が共存しているおかげで、「こんなの見たことなかった」と喜んでいただけることも。お店にとっても、お客様にとっても良い相乗効果が生まれているのを感じます。

3:違うから、おもしろい。それぞれの視点、それぞれのこだわり

——それぞれどんなアイテムを扱っていますか?仕入れ時のこだわりとあわせて教えてください。

田中:ユーロの中でも、最近自分の中で熱いのが、イタリアヴィンテージです。デザインや素材の良さがイタリアヴィンテージの魅力。すべてハンドピックにこだわり、必ず自分が試着して、まとったときのシルエットをとくに大事にしながら選んでいます。

野村:僕がキーワードにしているのは、「ちょうど良さ」。ヴィンテージに振りすぎるのは嫌だし、価格にこだわりすぎるのも違うと思っていて。

10万円以上するようなバンTというよりは、5000-15000くらいの価格帯のとにかくツラの良いTシャツを扱いたいと思ってます。

逆にM-47フィールドカーゴパンツなどはそれなりに高いアイテムだけど、一生ものでガシガシ履けるし、ガシガシ履いても価値が落ちないのでそういった愛用できるものは扱うようにしてます。

スウェットについても質感やダメージの「ちょうど良さ」意識してピックするようにしてます。例えば、王道の「リバース」アイテムだとヴィンテージのchampionだけに拘らず、90年代以前のchampionではないブランドが出していた雰囲気が良いのモノなども割と積極的に入れるようにしてますね。

売れ線やトレンドアイテムでも、自分が「カッコいい」と思えるものなら抵抗はないですね。使う目線に立った価値へのこだわりと言い換えてもいいかもしれません。

田中:仕入れをするときの基準の擦り合わせはまったくしませんし、それぞれ価値観も違いますが、リアルクローズじゃないけど、ふたりとも実際に着る、使う上での指標を大事にしているところに共通点があると思います。

——この春、おすすめのアイテムはありますか?

野村:Tシャツですね。面構えの良いものをたくさん準備していますよ。

田中:たとえば、このM-65型イタリア製ジャケットは、白の色味やドローコード、ポケットデザインなどの作り込みが秀逸な1着です。

また、3Dニットもおすすめ。この「Carlo Colucci」は、 ドイツのデザインブランドで、アーティスティックさとモダンさを兼ね備える一方、クラシックテイストも宿しているのが特徴。ハーフボタンの可愛さとカラーリングの大人っぽさが絶妙な「実家」ならではの一点物です。

4:古着を起点として、新しい価値を提供できる場所に

──今後どんなお店にしていきたいですか?

田中:古着に限らず、デザイナーズブランドも含め、自分の価値観にフィットするものは積極的に扱っていく予定で、将来的にはカフェを併設することなども検討しています。

古民家をリノベートすることと、クリエイターがアウトプットするための場所をつくることが僕の目標。ライフワークとして、大好きなものを詰め込んだお店づくりに取り組んでいきたいです。

野村:僕が大事にしたいのは、あくまで自分の目の届く範囲で店舗を続けていくこと。自分で仕入れ、自分が売ることにこだわっていきたいです。

一方で、僕もおもしろいことに挑戦していきたいと思っています。たとえば、最近手に入れたのが米軍が使っていたステンシルマシン。これを活用してオリジナルグッズをつくったり、お客様にTシャツを自作してもらったりしたいと考えているところです。

田中:僕は2025年から新規事業の立ち上げを支援するコンサルティング企業に就職することが決まっていますが、「実家」は続けていくつもりです。活動の基盤となる拠点を悠さんに守ってもらいつつ、習得したビジネスのスキルや知識を還元し、活動の枠を広げていくのが僕の役目。お互いの持ち味や感性を活かしながら、新しいことができたらと思っています。

野村:今後拡大していくこのスペースのオーナーである一清くんを、いわば古着部門担当としてサポートしていくかたちを想像しています。彼がいなくなった後も「実家」の遺伝子を残し、ここにしかない価値を提供していきたいですね。


古着屋 実家×yuyujiteki

大阪府和泉市葛の葉町1-7-45

営業時間:12:00~18:00

定休日:火曜日

Instagram:

https://www.instagram.com/__jikka__/

https://www.instagram.com/yuyujiteki_furugi/


エディター:Yoshihiro

ヴィンテージフリークのフリーライター。ファッションEC批評を中心にウェブメディアの幅広い領域で活動中。趣味はひとりで古着屋巡りをすること。好きな食べ物は、うに。

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